「なぜ全長2.5mのクルマにBMWのエンブレムが!?」今でも人気の3輪マイクロカー 70年前に登場した「イセッタ」ってどんなクルマ?

RMサザビーズのオークションに1957年式のBMW「イセッタ300」というマイクロカーが出品されました。どんなクルマなのでしょうか。

史上もっとも売れた「単気筒エンジン搭載」のクルマ

 米国ペンシルベニア州ハーシーで2024年10月に開催されたRMサザビーズのオークションに、1957年式のBMW「イセッタ」が出品されました。
 
 全長2.5mにも満たないマイクロカーですが、イセッタとはどんなクルマなのでしょうか。

オークションに出品された1957年式BMW「イセッタ」Alex Stewart(c)2024 Courtesy of RM Sotheby's

オークションに出品された1957年式BMW「イセッタ」Alex Stewart(c)2024 Courtesy of RM Sotheby's

 1953年11月、イタリアのイソ アウトヴェイコリ(ISO Autoveicoli SpA。イソ社)という会社が開発・製造した「イセッタ(ISETTA)」というマイクロカーがトリノでお披露目されました。

 その可愛い外観と低燃費で大きな関心を集めましたが、残念ながら販売にはつながりませんでした。

 1954年、イソ社はBMWにライセンスを売却したことで両社に利益をもたらし、それが第二次大戦後に立ち直りつつあるBMW社を助けたともいわれています。

 BMWはイセッタを完全に再設計し、「R25/3」というオートバイから247ccの単気筒エンジンを移植しましたが、イタリアンで魅力的なスタイリングはそのまま維持しました。

 BMWイセッタは1955年4月に初登場し、1962年5月まで生産されました。

 1956年、ドイツの法規改正により、イセッタのエンジン排気量は298ccに拡大されました。

 BMWのコントロールのもとで、イセッタは“史上もっとも売れた単気筒エンジンのクルマ”になりました。

※ ※ ※

 今回出品されたBMW イセッタ300は非常に保存状態が良い個体です。

 2017年にフロリダで売買されましたが、それ以前にどこで誰が所有していたかは分かっていません。

 ですが、赤いインテリアと青/白2トーンのボディカラーとの陽気なカラーコンビネーションは、イセッタの可愛いプロポーションに似合っています。

 約6000ドル(1ドル=153円として、約92万円)をかけて、ブレーキやキャブレターをレストアし、燃料タンクなどのパーツを交換しています。

 よく手入れされた、この素敵なイセッタ300は、次のオーナーになる人に無限の笑顔と喜びをもたらしてくれるでしょう。

 この1957年式 BMWイセッタ300は、2万7500ドル(1ドル=153円として、約421万円)で落札されました。

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