「えっ、150ccのスクーターがオークションで1000万円超え!?」 フランスのファッションブランドとコラボした「ベスパ」の特別なモデルとは

RMサザビーズのオークションに、クリスチャン・ディオールとコラボレーションしたスクーター、2022年式のベスパが出品されました。どんなモデルなのでしょうか。

限定946台 現代で最も希少なコレクターズアイテムのベスパ

 米国カリフォルニア州モントレーで開催されたRMサザビーズのオークションに、フランスのファッションブランド、クリスチャン・ディオールコラボレーションしたベスパの限定車が出品され話題となりました。

オークションに出品された2022年式ベスパ「946 クリスチャン・ディオールリミテッド・エディション」Kevin McCauley(c)2024 Courtesy of RM Sotheby's

オークションに出品された2022年式ベスパ「946 クリスチャン・ディオールリミテッド・エディション」Kevin McCauley(c)2024 Courtesy of RM Sotheby's

 ベスパは、お馴染みのイタリアのオートバイメーカーです。またクリスチャン・ディオールは、フランスの有名なファンションブランドです。

 両社のコラボレーションを不思議に思われる人も多いでしょう。ベスパは、大衆のための手ごろな価格の二輪車を製造しています。

 一方ディオールは、その真逆、独占的なオートクチュール製品でセレブたちを誘惑します。

 今回出品されたベスパ946「クリスチャン・ディオール エディション」は、ありそうもないコラボレーションの限定モデルとして誕生し、すぐにコレクターズアイテムになりました。

 ところで、じつは両社は精神的に深くつながっているといいます。どちらも1946年に設立され、その後数十年でそれぞれの分野のリーダーシップと品質で世界的な評判を築きました。

 またベスパとディオールはファッションアイテムでもあるのです。パリの路上で見かけたディオールのガウンや、イタリアの海辺の街に駐まったベスパには、何かシックなものを感じます。

 ディオールのレディースコレクションのクリエイティブディレクターであるマリア・グラツィア・キウリ氏の意見で、この特別版ベスパは作成されました。

 シンプルでエレガントなブラック/ホワイトのカラーリングにはゴールドのアクセントが入れられ、どちらのブランドの雰囲気にも似合っています。

 クラシックなディオールの「オブリック」モチーフで仕上げられた取り外し可能なトップケースとヘルメットがビジュアルのパッケージを完成させます。

 ベース車のベスパ946は2012年に発表されました。

 レトロフューチャーなスタイリングで、ベスパでは初めて素材にアルミニウムとスチールの両方を採用したことで賞賛されました。

 エンジンは13馬力を発生する150ccの単気筒で、街中はもちろん郊外へのツーリングにも最適です。

 ベスパ946は期間限定モデルで、現在もデザインにフォーカスしたエディションが数量限定で生産されています。

 ベスパ946 クリスチャン・ディオール エディションは946台限定のため、どんなにお金を払ってもめったに手に入れることはできません。

 今回の出品車は、テキサスのホワイトコレクションから新品状態で出品され、ほとんど走行していません。

 前述のディオール トップケースとヘルメット、取り外したラゲッジラック、オーナーズマニュアルなどが付属しています。

 ベスパとクリスチャン・ディオール、2つのクラシックブランドのダブルネームなモデルは、他にはありません。

 この出品車は、7万8000USドル(1USドル=152円として、1185万6000円)で落札されました。

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