ドアも屋根もないオープンカー!? 65年前の“ビーチカー”が超カワイイ! フィアット「500ジョリー」ってどんなクルマ?

オークションサイト「RMサザビーズ」のプライベートセールにて、1959年製のフィアット「500ジョリー」が出品されています。どんなクルマなのでしょうか。

走行距離1万6000kmの極上ビーチカー

 お盆休みも終わり、今週から会社に出勤というサラリーマンも多いのではないでしょうか。

 欧州では夏の時期、長いバカンスを旅行に行く人が多く、休暇を海辺のリゾート地で過ごすこともあります。

 そんなとき、ゆっくりと海岸線を走ったり、ホテルなどの宿泊地からビーチまでのちょっとした足として使うクルマがあれば便利……1950年代、そんなアイデアから欧州で生まれたカテゴリーが「ビーチカー(ビーチバギー)」といわれるモデルです。

オークションに登場した1959年式フィアット「500ジョリー」 Jorge Guasso ©2024 Courtesy of RM Sotheby's

オークションに登場した1959年式フィアット「500ジョリー」 Jorge Guasso ©2024 Courtesy of RM Sotheby's

 ビーチカーとは、海を楽しむために基本的にはドアやルーフのないオープンカーです。

 濡れたままの水着でも乗車ができるように、室内は籐で編んだシートを採用したり、当時では珍しかった樹脂製のボディを採用して室内の丸洗いもできたりと、完全に遊びに振ったモデルでした。

 代表的な車種でいえば、「ミニ・モーク」、シトロエン「Mehari(メアリ)」などが挙げられます。日本でも1970年に登場したダイハツ「フェロー・バギィ」やホンダ「バモス・ホンダ」もビーチカーというジャンルに当てはまるモデルになります。

 そんな数あるビーチカーのなかでも代表的なモデルは、1958年に登場したビーチカーの先駆け、フィアット「500 JOLLY(500ジョリー)」です。

 1957年に登場したイタリアの国民車、2代目「500(チンクエチェント)」をベースに制作された500ジョリーは、ルーフやドアもなくした完全なオープンモデルです。

 今回、オークションサイト「RMサザビーズ」のプライベートセールに登場した500ジョリーは、1959年製の1台です。

 室内は籐で編み込まれたシートを採用、濡れた水着のまま乗車することも可能です。乗車定員は4名で、街とビーチを往復するのには十分なサイズともいえます。

 479ccの2気筒エンジンに4速MTを組み合わせモデルは、現時点での走行距離が6313マイル(約1万160km)。現在のオーナーが12年前に購入したといいます。

 希望価格は10万ドル(日本円で約1467万円。1ドル146円で計算)とのことです。

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