もう2度と作れない!? 2004年式ポルシェ「カレラGT」がオークションに登場 最高速330キロの“究極”スーパースポーツの落札価格とは
ポルシェ発の限定スーパーカーである、ポルシェ「カレラGT」が、オークション大手である「RMサザビーズ」に出品されて話題になっています。いったいどのような個体なのでしょうか。
V10エンジンを搭載したポルシェの究極のカレラがオークションに登場
ドイツ発の高性能スポーツカーメーカーである「ポルシェ」ですが、定期的に限定モデルを輩出しています。
とくに現在でも通用するほどのハイスペックで登場したのが、ポルシェ「カレラGT」です。
カレラGTは2003年から2006年にかけて販売され、これまでのポルシェの常識を覆してきました。
カレラGTのパワートレインは、ポルシェ伝統の水平対向エンジンを見送り、V型10気筒エンジンを搭載しました。
そしてV型10気筒エンジンの特筆すべき点は、5.7リッターの排気量で最高出力は612ps、最大トルクは60.2kgmを発生していますが、この高出力をターボに頼らず自然吸気で達成している点です。
この高出力は、吸気カムシャフトの可変バルブタイミングと8400rpmというポルシェとしては超高回転のレッドラインのエンジンを開発したことで達成します。
また、ポルシェのなかでも希少なV型10気筒は水平対向エンジンの音と大きく異なり、高音を響かせるレーシングユニットならではの音質といえるでしょう。
それだけでなく、水平対向エンジン並みに低重心化とコンパクト化に成功し、最高速度は330km/hオーバーまで達しました。
さらに当時のスーパーカーは、電子制御による2ペダルのパドルシフトが当たり前になっていましたが、ポルシェはあえて6速マニュアルトランスミッションを採用した点も注目を集めます。
ボディサイズは全長4613mm×全幅1921mm×全高1166mmと小さめなサイズと、ボディの大半にカーボンファイバーを採用することで、車両重量はわずか1380kgまで抑えられています。
このような個性豊かで性能もトップレベルのカレラGTが、オークション業界でも老舗のRMサザビーズに出品されて話題になっています。
最終的には129万7500ドルで落札
今回出品されたカレラGTは、2004年式で、1270台の総販売台数に対してシリアルナンバーは162という比較的、初期ロットの生産車です。
ボディカラーはポルシェ特有のGTシルバーメタリックで、走行距離は7241マイル(1万1652km)と低走行といえるでしょう。
エクステリアは、ポルシェらしさを継承しながらも911とは異なり、どちらかといえば往年のレースカーである「917」のテイストを色濃く残した、アグレッシブなデザインとなっています。
ボディはイタリアのATR Composites社製のカーボンファイバー製モノコックとサブフレームを採用することで軽量化に大きく貢献。
またホイールもフロント19インチ、リア20インチのセンターロックマグネシウム合金製ホイールを採用し、レーシーな性能と見た目を両立しました。
さらにルーフはデタッチャブル式で、ルーフのみを着脱可能なタルガトップを採用しています。
インテリアカラーはイタリア語で「焼いた土」を意味するテラコッタで、オレンジと茶色を混ぜたような独特な色合いを表現。
インテリアも5連メーターこそ従来のポルシェに準ずるものですが、3連のエアコンのダイヤルスイッチを配したスリムなセンターコンソールは、下部が空洞となっておりこれまでにないデザインとなっています。
6速マニュアルのシフトレバーはインテリアのなかでも唯一のウッド素材になっていて、取付位置も従来のマニュアル車とは違ってかなり上部に取り付けられています。
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今回の個体は生産台数が少ないのはもちろんのこと、カナダで新車として販売された数少ない例の ひとつとしてオークションでも盛り上がりをみせ、最終的には129万7500ドル(日本円で約1億8698万円)で落札されました。
ポルシェで最後ともいわれるV10エンジン、ほぼフルカーボンというボディという究極のカレラは、ポルシェファンでなくても魅力的なモデルといえるでしょう。
08/31 07:30
VAGUE