夢の「四国の左下ぐるり高速」いまどうなってる? “右下”より実現早い? 全部できたら「8」の字ネットワーク その“進捗率”

あとはできるのを待つだけ!

細切れに開通している「四国の左下」高速

 高知県宿毛市で国土交通省 中村河川国道事務所が2024年10月から、「宿毛内海道路(宿毛和田-宿毛新港)」の測量や調査などに関する「立入説明会」を初めて実施します。四国の“左下”を横断する高速道路のなかで“最後の区間”の事業が本格化します。

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愛媛県側、松山道の延長部となる「津島道路」の建設現場(画像:大洲河川国道事務所)。

 四国の“左下”を横断し、高知道と松山道をつなぐ区間は「四国横断道」という構想路線名のもとで計画されており、現在、細切れに開通しています。ただ全て事業化されており、高知・愛媛県境をまたぐ「宿毛内海道路」約12kmは、2022年と2024年に事業化された“最後の区間”でした。

 高知道から連続して開通しているのは、四万十町の四万十中央ICまで。愛媛県側で松山道から連続して開通しているのは、宇和島市の津島岩松ICまで。その間、約95kmをつなぐ区間が建設中です。

 うち四万十町と黒潮町の間6.1kmが「片坂バイパス」として、中村市と宿毛市のあいだ20.7kmが「中村宿毛道路」として開通しています。これら道路は国道56号のバイパスとなっており、高知県側は「土佐くろしお鉄道中村・宿毛線」とほぼ並行しています。

 この沿線では南海トラフ巨大地震で最大34mの津波が想定され、唯一の幹線道路である国道56号の多くが浸水すると予測されていることから、高規格道路の建設が急がれています。高知道と片坂バイパスをつなぐ「窪川佐賀道路(窪川工区)」区間や、松山道の延長部となる「津島道路」などは、具体的な構造物がかなり出来上がってきています。

 四国の高速道路は2000年に徳島道が全線開通したことで、4県の県庁所在地を「X」字状に結ぶ「エックスハイウェイ」という名が打ち出されましたが、現在、国はさらに「四国8の字ネットワーク」と銘打ち、“左下”や“右下”の高規格道路の整備を推進しています。

 愛媛県の資料によると、2024年4月1日現在で「8の字ネットワーク」の開通率は計画全体の76%だそうです。

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