中部-北関東の“スーパー短絡路”完成はいつ? カギを握る「新山梨環状道路」いまどうなっているのか

国道20号までの開通はメド立ってます!

中部と関東の「橋渡し区間」=新山梨環状道路「東部区間&北部区間」

 山梨の甲府市外縁部で「新山梨環状道路」の建設が複数の区間で進んでいます。なかでも、周辺渋滞の緩和だけでなく、中部地方と関東地方の“橋渡し”となる重要な区間が、「東部区間」と「北部区間」の一部です。2024年現在、どうなっているのでしょうか。

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2022年に開通した新山梨環状道路 東部区間の1.6km。中央道とも交差した(画像:山梨県)。

 新山梨環状道路は、山梨県の甲府都市圏をぐるりと取り囲む全長約43kmの道路です。東西南北の4区間に分かれており、西部区間(双葉JCT~南アルプスIC)は「中部横断道」として2004年に、南部区間(南アルプスIC~西下条)は無料の自動車専用道路(山梨県道)として2009年にそれぞれ全線開通しています。南部区間はその途中で、リニア中央新幹線の山梨県駅(建設中)と連絡し、リニアの主要アクセス道路としての役割も担います。

 それに続く東部区間は、2022年に1.6kmが開通。中央道の甲府南IC付近で交差しており、中央道で笛吹川を渡っていると、緑の看板のある自動車専用道を見下ろせるようになりました。新山梨環状道路は現在の終点である落合西ICからさらに北上し、国道20号と接続する広瀬IC(仮称)までの7.0kmについて、山梨県が工事を行っています。

 さらにその先、「北部区間」の一部である広瀬IC~桜井JCT間2.0kmについても、国土交通省が事業を進めています。桜井JCTで、埼玉県へ通じている国道140号「西関東連絡道路」と接続する計画です。

 この桜井JCTまでの区間が開通して中部横断道と西関東連絡道路が直結すると、静岡の太平洋側から埼玉県北部の関越道 花園ICまで、首都圏をまるごと迂回するネットワークが形成される予定です。埼玉県側でも西関東連絡道路としての線形改良、バイパス建設が進行しています。

 新山梨環状道路の東部区間は、もともと2022年度の開通予定でしたが、2026年度に延長されたのち、2023年の再検討で用地買収の難航や埋蔵文化財調査に日数を要したとして、2030年度へとさらに延長されています。とはいえ、濁川と平等川を渡る橋梁は架設済み。そのほかの区間でも橋脚などができてきています。
 
 北部区間の広瀬IC~桜井JCT間は2022年度に用地買収が始まったところで、事業の進捗が目に見えてくる段階ではありません。

 なお、桜井JCT以北の北部区間は、2024年度から5.5kmの区間に事業着手しており、全線のなかで事業化されていないのは1区間を残すのみ。新規事業化区間はほぼトンネルとなることから、有料道路としての整備が検討されています。

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