米海軍の新造空母や潜水艦「一部溶接に欠陥の可能性!」この件の背後にある深刻な問題とは?

米造船業が抱える大きな問題。

溶接のトラブル以上に人手問題が深刻?

 アメリカ海軍調査研究所の公式ニュースサイト「USNIニュース」は2024年9月26日、ニューポート・ニュース造船所で行われた現役の海軍潜水艦や空母の部品の溶接に欠陥があった可能性があると、司法省に通報したと報じました。

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現在アメリカ最新・最大の原子力空母「フォード」就役直前の様子(画像:アメリカ海軍)。

 報告書によると、建造中および就役中のバージニア級やコロンビア級などの原子力潜水艦と、ジェラルド・R・フォード級航空母艦の溶接が、正式な方法で行われていなかったそうです。原因は、作業員が特定の溶接の継手で、適切な手順に意図的に従わずに作業を進めたためであると報じられています。

 ただ、欠陥の可能性がある箇所の溶接は、艦の強度や任務に関わる重要な部分ではなく、比較的影響が少ない箇所の部品ではあるようです。

 このようなトラブルが発生した背景として、新型コロナウイルスのパンデミックによる建造スケジュールの変更や、熟練した溶接工の不足であることが指摘されています。

 アメリカの造船業はコロナ禍以前から、熟練工の引退と若者の不足による人手不足に悩んでおり、これが新造艦の建造の遅れなど、目に見えた影響として出ています。

 この人手不足は、世界に艦艇を派遣しているアメリカ海軍の安全保障戦略に直接影響するということで、2024年4月にはカルロス・デル・トロ海軍長官が「大きな問題は、この国における労働者の不足である」と発言し、政治的な分裂を乗り越え、就労ビザの取得を緩和し、「アメリカへの合法的な移民の受け入れ数を増やすべき」と訴えたこともあります。

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