ここができれば「超便利!」 群馬の新たな高速「上信道」最大のボトルネック未開通部もりもり建設中! ついに関越道接続へ

群馬の新たな東西軸となる「上信道」が、関越道直結を果たすための未開通部の建設が進んでいます。ここができれば利便性が大きく高まる見込みです。その工事も大規模なものでした。

上信道の未開通部「渋川西バイパス」あとは掘るだけ!

 群馬県西部の新たな東西道路として整備が進む「上信道」。その未開通部のひとつ「渋川西バイパス」の建設が進んでいます。

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建設中の渋川西バイパス(乗りものニュース編集部撮影)。

 上信道は、関越道の渋川伊香保IC付近(群馬県渋川市)からJR吾妻線沿いを西へ、上信越道の東部湯の丸IC付近(長野県東御市)までを結ぶ計画の高規格道路です。現在は群馬県嬬恋村までが複数の区間に分けて建設されています。

 2024年3月には、「吾妻西バイパス」7.0kmが開通し、JR吾妻線の郷原駅付近に新設された厚田ICから、すでに開通している八ッ場(やんば)バイパスまでがつながりました。その次に開通が予定されているのが、今回レポートする「渋川西バイパス」の新設部1.9kmです。

 渋川西バイパス(5.0km)は渋川伊香保IC付近から、開通済の「金井バイパス」までを結ぶ、上信道のなかでも“根本”にあたる区間です。渋川伊香保IC付近からの現道を拡幅した3.1km区間は開通済みで、ここから金井バイパスまではバイパスが新設されます。

 つまり、この新設部が完成することで上信道は関越道に直結を果たします。

 渋川西バイパスの現道活用区間は4車線が整備されていますが、ここから金井バイパスまでは現在、並行する県道35号を利用する形になります。4車線が2車線に狭まるうえ、市街地を通過すること、さらにアップダウンが大きいことから、渋滞が慢性化しているようです。上信道の開通で、かなり交通量が増えていることもうかがえます。

今は「掘って掘って掘りまくれ!?」

 2024年9月現在、渋川西バイパスは跨道橋や擁壁といった主要構造物は、おおかた完成といったところ。目下、道路本線の“掘削”が行われています。

 この新設部は大きく掘割構造の「切土区間」と、「盛土区間」に分かれ、切土区間はすでに架かっている跨道橋から道路を見下ろす形になります。

 切土区間は、掘り下げが進んだところ、あまり進んでいないところを比較できる段階にあり、「あそこまで掘り下げるのか……」と、その掘削量の膨大さを実感できます。まず真ん中から掘って重機のルートを確保したうえで、周りを掘り進めていくプロセスもうかがえました。

 その切土区間の発生土は、約12万立方メートルにも及びます。当初はそれを盛土区間へ流用する予定でしたが、一部、路床や裏込土に適さない材料であったため、県内の他の道路事業や圃場整備にも流用するなどしているそうです。

 群馬北部の地形は、利根川に向かって深い谷となっているのが特徴です。周辺の道路もかなりの急勾配が見られます。渋川西バイパスの新設部はアップダウンもあるものの、掘割構造によって勾配は最大でも5%ほどに抑えられます。

 なお、上信道の大部分は県が主体となって整備されていますが、この渋川西バイパスは、国道17号のバイパスに位置付けられていることもあり、国土交通省の直轄で行われています。開通は2025年度の予定です。

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上信道として開通済の金井バイパス(乗りものニュース編集部撮影)。

 ただ、上信道の中ほどに位置する「吾妻東バイパス」(計15km)については、2024年2月に開通延期が発表され、2029年度の予定となりました。上信道の事業化区間で最も西の「長野原嬬恋バイパス」(約8.5km)も同年度の開通が予定されています。事業化されている区間およそ50kmが全線開通を迎えるのは、少なくともあと5年ほどかかりそうです。

 上信道の整備により、渋川伊香保ICと草津温泉のあいだの所要時間は、整備前の91分から62分まで短縮される予定です。

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