「うちは駅名ちがいます」が多い! 独自路線の「都営地下鉄」 実は便利な乗換え可能駅
他の路線と乗り換えられるけど、駅名は違う――そのパターンが多いのが都営地下鉄です。正規の乗換駅から、“意外と乗り換えられる”駅まで、知っておくと便利になるかもしれません。
都営は駅名が違う!
東京の地下鉄には「東京メトロ(東京地下鉄)」と「都営地下鉄(東京都交通局)」という、ふたつの事業主体があります。このうち東京メトロは銀座をはじめ、新宿や渋谷、池袋など、主要な繁華街を網羅しており、その利用客数、路線延長距離からも、名実ともに東京の地下鉄の主役であると言えます。
一方、都営地下鉄は新宿や大手町こそカバーしているものの、4路線とも“やや地味なエリア”を走っているイメージがあります。そしてその存在感をさらに薄くしているのが、「他の路線の駅の近所なのに、名称が別」という駅が、比較的多く見られることです。
なかには浅草線日本橋駅のように、開業当初は江戸橋駅という名称で、のちに近隣の駅にならい日本橋駅に改称した例もありますが、それはごくごくレアなケースです。
しかし、そうした“わかりにくい駅”の所在をきちんと知っておけば、じつは意外に便利で、また運休やダイヤ乱れなどの際は、裏技的な乗り換えテクニックにつながる場合もあります。
大門駅(都営浅草線、大江戸線)-浜松町駅(JR、東京モノレール)
JR浜松町駅の北口を出て地下に降りると、もうそこは都営大江戸線のコンコースです。さらにその地下を100mほど歩くと、都営浅草線ホームへの連絡口となります。浅草線が開通したときは「浜松町駅とはやや離れた別個の駅」となっていたものの、大江戸線の駅がその両者をつなぐ形となり、現在のような関係になりました。
三田駅(都営浅草線、三田線)-田町駅(JR)
JR田町駅三田口(西口)正面には、JR線と並行するように国道15号が走っています。その地下にあるのが都営浅草線の三田駅です。田町駅からは駅前の田町センタービル内を通り抜け、便利にアクセス可能。さらに三田線三田駅とも、浅草線三田駅から地下で連絡しています。都営線では乗り換えを車内放送などで案内しますが、JR線では案内していません。
岩本町駅(都営新宿線)-秋葉原駅(東京メトロ日比谷線、JR山手線ほか)
秋葉原駅は地上にJRの駅、東側の昭和通りの地下に東京メトロの駅、その中間の駅前広場の地下深くにつくばエクスプレスの駅があります。これらの南側、神田川を渡ったところにあるのが、都営新宿線の岩本町駅です。昭和通り側の出口を出れば、日比谷線秋葉原駅まではすぐ。小川町側の出口を出て裏通りに入り、「神田ふれあい橋」を渡ればJR秋葉原駅も至近です。
“非公式”乗換駅も便利!
これまで都心のターミナル駅との乗り換えのケースを紹介しましたが、そうでなくても乗り換えが可能な駅があります。
白山駅(都営三田線)-本駒込駅(東京メトロ南北線)
三田線と南北線は、それぞれ1駅南の三田線春日駅、南北線後楽園駅で連絡していますが、南北線ホームが地下6階とかなり深く、高低差も含めけっこうな移動を強いられます。ところがこの白山駅と本駒込駅は、地下のホームとホームの端の直線距離でわずか100mほどしか離れておらず、「ここを地下でつないだほうが便利では?」と思えるくらいです。実際、地上での乗り換えも、5分ほど歩くだけです。
芝公園駅(都営三田線)-赤羽橋駅(都営大江戸線)
都内南側エリアでの三田線と大江戸線との乗り換えは、「三田駅-大門駅」で浅草線を経由することを強いられ、便利とは言えません。ただ三田線芝公園駅から大江戸線赤羽橋駅までは直線距離300m弱で、わかりやすい1本道です。浅草線は京成線、京急線との相互乗り入れがある関係でダイヤが乱れやすいことから、いざというときのため、このルートを頭に入れておくといいでしょう。
戸越駅(都営浅草線)-戸越銀座駅(東急池上線)
都営浅草線は五反田駅から南へ、品川区や大田区など東急電鉄の“庭”エリアに路線を延ばします。浅草線の中延駅は、東急大井町線との乗り換え駅となってますが、その隣の戸越駅も、じつは東急池上線の戸越銀座駅と至近です。五反田駅での浅草線と池上線との乗り換えはやや歩くことから、こちらで乗り換えても時間のロスは最小限。さらに駅近の戸越銀座商店街での買物を楽しめるというメリットもあります。
新板橋駅(都営三田線)-板橋駅(JR埼京線)-下板橋駅(東武東上線)
この3駅は名前こそ違いますが、徒歩での相互乗り換えが可能です。とくに三田線と東武東上線の乗り換えのため巣鴨駅-池袋駅をJR山手線で移動するルートはかなりの遠回りで、かつJRの運賃が必要になるため、割高にもなります。三田線の神保町方面から、東武東上線大山駅、ときわ台駅方面に運賃を節約しつつ移動するなら、ぜひ覚えておきたい乗り換えポイントです。
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これらの駅のなかには、岩本町(秋葉原)、大門(浜松町)のように副駅名が付けられ、わかりやすくなった例もあります。また岩本町駅は2013年に日比谷線秋葉原駅と正式な乗り換え駅となり、乗り継ぎ割引の適用となりました。
そうした運賃の適用にまで踏み込むのはなかなか難しいとは思いますが、徒歩移動が可能な駅同士については、よりわかりやすい案内の検討をお願いしたいところです。
08/27 09:42
乗りものニュース