そこ、つながってるの!? 東京の「意外なロング地下道」4選 乗換だけじゃない 酷暑を避ける“命の道”

酷暑のなか東京都心での外回り営業などは、時に命の危険も。しかし、都心には駅と駅とを結ぶ地下通路が意外と多く、暑さをしのぐルートとしても活用できます。

地下道は乗換だけじゃない!

 東京には大規模な地下街がいくつもあることは、広く知られていることでしょう。たとえば東京駅周辺には、JR東京駅の地下と地下鉄の大手町駅、日比谷駅、銀座駅、東銀座駅などを結ぶ通路と、隣接するオフィスビルの地下が一体となった“地下の街”が広がっています。

 また新宿の地下では、JRや私鉄の新宿駅を中心に、地下鉄新宿駅、新宿西口駅、新宿三丁目駅、さらに地下街「サブナード」などが連絡通路で結ばれ、多くの人が行き交っています。

 それ以外でも、地下鉄路線図では別々の駅ながら、実は地下で結ばれている「意外で便利な地下通路」がいくつもあります。今回紹介する4か所の地下通路は、地上の酷暑を避けるうえでも有効なルートになり得ます。

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日比谷線の虎ノ門ヒルズ駅。長い地下道が存在する(画像:写真AC)。

東京メトロ「虎ノ門駅」-同「虎ノ門ヒルズ駅」

 虎ノ門ヒルズ駅は、虎ノ門地区の再開発で生まれた街「虎ノ門ヒルズ」に直結する駅として2020年に開業しました。

 この虎ノ門ヒルズ駅は東京メトロ銀座線虎ノ門駅と約440mの「虎ノ門地下歩道」でつながれ、両駅は運賃計算上の同一駅(乗換駅)となり、1枚のきっぷで相互に乗り換えることができます。

 こうした乗り換え利用以外にも、虎ノ門エリアの南北移動には、雨や酷暑を避けられる快適なルートになるほか、さらに虎ノ門ヒルズ直下にある東京BRTの虎ノ門停留施設(乗場)にも直結しています。

「え、つながってたの…?」現地でも案内されないマル秘ルート

 現地案内も少なく、あまり知られていない「つながっている地下道」もあります。

東京メトロ/都営地下鉄「日本橋駅」-東京メトロ「茅場町駅」

 東京メトロ日本橋駅は、東西線ホームの東端で都営地下鉄日本橋駅と連絡しています。ここで都営浅草線の新橋方向へは、いったん浅草線の下をくぐる通路で対向式ホームの反対側に渡る必要がありますが、じつはこの通路はさらに東側に伸び、東京メトロ茅場町駅までつながっているのです。

 この両駅は乗換駅扱いではなく、また看板等での案内も積極的に行われていないためか、通路はいつも閑散としています。

 なお、東京駅丸の内口地下からも、呉服橋の交差点でいったん地上に出て渡り、再び地下に降りて東京メトロ日本橋駅を経由すれば、茅場町駅までほぼ地下を通ってのアクセスが可能です。この区間を地下で結ぶ計画もありますが、実現はかなり先のことになりそうです。

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都営浅草線 日本橋駅の改札(画像:写真AC)。

都営地下鉄「都庁前駅」-東京メトロ「西新宿駅」

 新宿エリアでは先に挙げた巨大地下街が有名ですが、利便性という上で侮れないのがこちらの通路です。

 都庁前駅からは「東京医科大学病院」、各種イベントが行われる「新宿アイランドタワー」へ地下を通ってアクセスできます。また西新宿駅からは東京都庁へのアクセスが可能。都庁に向かうとき、このルートを知らずに新宿駅で下車して徒歩、もしくは都営大江戸線に乗り換えている東京メトロ利用者も多いのではないでしょうか。

 なおこの通路には、ハイアットリージェンシー東京、ヒルトン東京という、ふたつの5つ星ホテルが直結しているため、外国人観光客の姿を多く目にします。じつはこれらのホテルに宿泊する富裕層観光客の間では、日本人以上にポピュラーな通路なのかもしれません。

なんと5駅貫通! 下町の「快歩路」

 複数の鉄道会社の駅をつないだ巨大地下街が、下町に存在します。

JR/東京メトロ「上野駅」-京成「京成上野駅」-東京メトロ「上野広小路駅」-都営地下鉄「上野御徒町駅」-JR「御徒町駅」-東京メトロ「仲御徒町駅」

 JR線の上野駅と御徒町駅の間は、線路沿いに広がる「アメ横商店街」にこだわりの小売店、個性的な飲食店が軒を並べ、一大観光スポットになっています。近年はその面白さが外国人観光客の間でも人気を集め、日本人よりも外国人の姿を多く見かける街と言っても過言ではありません。

 そのアメ横を賑やかな“表通り”だとしたら、こちらの「上野中央通り地下歩道」「都営大江戸線地下通路」は、上野と御徒町を結ぶ実力派の“裏通り”です。

 JR上野駅の中央改札を出て地下に降りると、やや窮屈な東京メトロ銀座線上野駅のコンコースとなります。そこから京成線上野駅方面へは地下道がゆるやかなカーブを描きます。その先、京成上野駅に上がる短い階段の横を通り抜けたら、都営地下鉄上野御徒町駅方面につながる広い地下歩道があらわれます。

 上野御徒町駅までの中間点には、地下に整備された「上野中央通り地下駐車場」のロビーが設けられ、駐車場から上野駅、御徒町駅に、地上に出ることなくアクセス可能です。

 地下歩道の終点、上野広小路駅付近では、やや“後付け感”のある段差を階段でクリアして、大江戸線地下通路へとつながります。

 この通路を東に歩き、JR御徒町駅の地下を通り抜けた先が、東京メトロ仲御徒町です。JR上野駅から仲御徒町駅までを逆「コ」の字型に迂回するように地下道がつながっており、ほぼ1km、歩くと15分くらいです。

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京成上野駅から地下道に入るところでは、訪日外国人にもわかりやすいよう、ラインカラーを大きく使った案内がある(植村祐介撮影)。

 この地下道には地上への連絡口が各所に設けられています。このエリアで買い物したり、飲食を楽しんだりしているときに突然の雨に出くわしても、地下道に降りれば上野駅、御徒町駅に濡れることなくアクセスできます。

 ただし、つくばエクスプレスの「新御徒町駅」とは地下でつながっていません。仲御徒町駅から地上へ出て、さらに400mほど歩くとたどり着きます。

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