「国鉄初の空港駅」どうなってる? 現存する駅舎には”面影”が… 話題の「成田空港駅の将来」とは異なる現在
成田空港が将来的に現「成田空港駅」を廃止する方針です。空港のターミナル移転に合わせて、空港駅として役目を終えた場所は、他にも存在します。その一例が、北海道の空の玄関口である新千歳空港。昔の空港駅は、どのようになっているのでしょうか。
全然乗り降りないけど、ちょっと面影が…?
成田空港を運営するNAA(成田国際空港)が将来的に、同空港のターミナルビルの集約・移転にあわせて現「成田空港駅」を廃止する方針を示しました。このように空港のターミナル移転に合わせて、空港駅として役目を終えた場所は、他にも存在します。その一例が、北海道の空の玄関口である新千歳空港です。昔の空港駅は、どのようになっているのでしょうか。
2024年現在、新千歳空港の地下には、JR千歳線の新千歳空港駅があり、空港から直結で往来することが可能です。しかし同空港は1992(平成4)年に現ターミナルに移るまで、別の場所にターミナルビルがありました。
新千歳空港の旧ターミナルビルは、現在の航空自衛隊千歳基地側にありました。このときに空港駅の役割を果たしていたのが、新千歳空港駅からひと駅、距離にすると3km弱離れたところにある現「南千歳駅」です。2024年現在、同駅は道内の各方面への乗り換えで使用されることは多いものの、ここで改札を抜け乗り降りする人の数は、そう多くありません。
そもそも南千歳駅は、1980(昭和55)年に、旧千歳空港と鉄道アクセスをつなげるために「千歳空港駅」という名で開設されました。当時の国鉄が、このような駅を設置したのはここが初めてだったとされています。
それから半世紀ほど経ちましたが、実は2024年現在でも、南千歳駅に、かつて旧千歳空港駅であったときの面影を感じる場所が残っています。
同駅はホームの上に駅舎がある、いわゆる「橋上駅舎」ですが、その改札を出ると、片方は国道36号側の南口、もう片方が商業施設などのある南口となっています。そして南口は国道36号を跨いだところで、無理やり橋の途中が切られているところが確認できます。
かつては、この通路がそのまま「千歳空港」のターミナルにつながっていました。つまり、この突然途切れた橋、これこそが旧千歳空港駅の名残だといえるでしょう。
なお現在も、通路を降りて国道に降り立つと、目の前には現在の航空自衛隊千歳基地が広がるため、状況次第では自衛隊機を間近で見ることができるほか、場合によっては駐機している旅客機などを見られます。
07/20 07:12
乗りものニュース