徒歩1時間!? 空港ターミナルから超遠すぎな「空港駅」駅舎もギャップの極み! そうなった経緯とは

花巻空港の玄関口の鉄道駅とされる「花巻空港駅」は、地図アプリでは「徒歩50分」と、一般的な空港駅のなかでは異例の長距離を誇ります。こうなった背景には、この空港の発展の経緯がありました。

昔はもうちょっと近かった?

 岩手県にある花巻空港の鉄道における玄関口として設定されているのが、JR東北本線の花巻空港駅です。ただ、駅名に「空港」の名前こそ冠しているものの、空港ターミナルビルとは約4kmも離れており、地図アプリでは「徒歩50分」と表示されます。なぜここまで離れているのでしょうか。

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花巻空港(乗りものニュース編集部撮影)。

 花巻空港は南北に滑走路が伸びており、ターミナルビルは南東側に位置しています。しかし、花巻空港駅があるのは、滑走路を挟んで反対側の北西側です。そのため、もし利用しようとするなら、滑走路を迂回し、さらに西へ向かう必要があるのです。

 歴史をひも解くと「花巻空港駅」はかつて「二枚橋駅」という名称でしたが、1988(昭和63)年に現在の名称に変更されました。この当時、空港のターミナルビルは滑走路の西側、つまり二枚橋/花巻空港駅側に設置されており、その距離も2km程度と、現ターミナルビルと比べ、駅との距離は近しい状況でした。

 しかし、その後、旅客機の大型化や国際線の就航をはじめとする運航規模の拡大に対応すべく、花巻空港は2009(平成21)年に現ターミナルビルをオープンさせます。こうして、花巻空港駅は、その名のわりにターミナルビルから遠すぎる駅となってしまったのです。

 とはいえ、同空港を行き交う旅客機の発着時間帯に合わせる形で、ターミナルビルと空港駅の間は、バスによってアクセスが確保されています。ダイヤ上7分ほどで両者は結ばれており、大人片道320円で利用可能です。

 ちなみに花巻空港駅の駅舎は木造平屋のコンパクトな作りで、外観的にも一般的な”空港駅”と比べると極めてギャップのあるものになっています。これは、二枚橋駅時代の駅舎が、そのまま利用されているためです。

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