「冷たい水、無料で飲めます!」東京の地下鉄にまだ残る冷水器 メトロは全廃したのにナゼ?

かつては駅のホームに必ずといってよいほどあった水飲み場ですが、いまや見かけなくなりつつあります。しかし、都営地下鉄ではほぼ全駅に設置されているとのこと。東京メトロからは全廃されたのに、なぜ残っているのでしょうか。

都営地下鉄のホームに水飲み場がある理由

 かつては駅のホームでよく見かけたものの、いつの間にか姿を消したものの1つに、水飲み場があるでしょう。

 実際、東京中心部に限っても、東京メトロでは2018年をもって水飲み場が全廃されており、JR東日本も主要駅を含めほとんど見られなくなっています。ただ、一方で2024年現在も管轄するほぼ全ての駅に水飲み場を設置し続けている事業者が、都営地下鉄を運営する東京都交通局です。

 以前、東京メトロが水飲み場を全廃する際にその理由として挙げていたのは、飲料を購入する人が増え、水飲み場のニーズが減少したから、というものでした。
 
 では、なぜ都営地下鉄は水飲み場が残っているのでしょうか。その点を東京都交通局に聞いてみました。

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都営地下鉄(右)と東京メトロ、双方の地下鉄車両(画像:写真AC)。

 対応してくれたのは、総務部お客様サービス課。説明では、都営地下鉄のホームに水飲み場があるのは、お客様サービスの一環とのこと。担当者によると、気軽に水分補給してほしいからだそうです。
 
 また、前述したように都営地下鉄は東京都交通局の所管です。東京都には水道水を管理する水道局もあり、こちらでは水道水の飲用促進、またそれを通じた環境配慮行動の促進を実施中です。
 
 そのような活動の一環で、公共性の高い場所に設置されている水飲栓およびイベント時に水道局が設置する可動型水飲栓を「トーキョーウォーター・ドリンキング・ステーション」として登録、利用促進を図ろうとしています。

水筒などに無料で補充できるところも

 2024年7月現在、「トーキョーウォーター・ドリンキング・ステーション」には都内900箇所が登録されており、そのなかには都営地下鉄の水飲み場も含まれています。

 そのような経緯から、都営地下鉄には、広く水飲み場が残っているようです。実際、よく見ると、水飲み場の壁には「東京水」「Tokyowater Drinking Station」というシールが貼られており、そこには「安全でおいしい東京水が気軽に飲める場所 都内各地にありますのでぜひ利用してください」という水道局のメッセージが印字されていました。

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都営地下鉄の日本橋駅に設置されている水飲み場(乗りものニュース編集部撮影)。

 また、割合こそ不明なものの、その多くは冷水器、いわゆるウォータークーラーになっており、冷たい水が飲めるほか、一部の駅にはボトルディスペンサー型水飲栓が置かれており、水筒やペットボトルに無料で冷水を補充できるようになっています。
 
 なお、東京都水道局では2013年10月から利根川水系のすべての浄水場に高度浄水処理を導入しており、ミネラルウォーターに比肩するほどの安全でおいしい水とアピールしています。
 
 夏の暑い日に冷たい水を飲むと一息つけるのも事実です。熱中症予防の一環で利用するのもありなのではないでしょうか。

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