頭皮は洗いすぎてもにおいやべたつきが出る。洗髪は一日一回、刺激の少ないシャンプーで

『新・心とからだの養生学』イラスト:小林マキ

イラスト:小林マキ

強い日差しにさらされ続けた頭皮は乾燥が進んでいる可能性大。放っておくと、さまざまなトラブルを招きかねません。秋に行いたい頭皮ケアを伝授します(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)

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洗いすぎがにおいやべたつきのもとに

9月は、暦の上ではすっかり秋。とはいえ、まだまだ厳しい暑さが続きます。頭皮も肌と同じく汗をかきますが、それが原因で発生するにおいや髪のべたつきが気になる人も多いかもしれません。

「汗やにおいを気にするあまり、洗浄力の強すぎるシャンプーを使うと、頭皮を覆っている皮脂膜がはがれてしまいます。すると、それを修復しようと皮脂の分泌量が過剰になり、においやべたつきを引き起こすことに。また、フケが増える原因にもなるのです。洗髪は一日一回、刺激の少ないシャンプーで行うのがベスト」と解説するのは、女性の髪の悩みに詳しい浜中聡子先生です。

前日の夜に洗髪したものの、朝起きたら寝汗によるべたつきやにおいが気になるということもあるでしょう。その場合は、シャンプーを使わずに、お湯で軽く洗い流す程度にとどめましょう。

頭皮の状態を良好に保つうえで特に避けたいのは“乾燥”だと、浜中先生は強調します。

「長年ヘアカラーやパーマを繰り返してきた『婦人公論』世代の頭皮は角質層が薄くなり、水分を蓄える働きが低下。そんな状態で強い紫外線を浴びると、頭皮の水分が蒸発し、乾燥が進んでしまうのです」(浜中先生。以下同)

夏バテによる食欲不振も乾燥を促進させる

乾燥は、髪にも悪影響を及ぼします。

「頭皮が乾燥すると、毛根がダメージを受けて髪の成長を阻害。その結果、髪が細くうねったり、抜け毛が増えたりするのです。年齢が上がるにつれて、髪が抜けると、そのまま生えてこないこともありますし、たとえ生えてきても、元の髪より太くなることはないので、注意が必要」

夏バテによる食欲不振も頭皮のコンディションを悪化させる原因に。そうめんなどさっぱりしたものばかり食べていると、たんぱく質が不足し、頭皮の乾燥を促進させてしまいます。

「たんぱく質は、頭皮のハリやうるおいを保つコラーゲンの生成に欠かせません。頭皮の健康維持には、肉や魚、大豆製品、乳製品などのたんぱく質を多く含んだ食品を摂ることが不可欠です」

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