自民新総裁、小林鷹之氏の地元・千葉県連は期待と失望 「国のため、クリーンな政治を」

自民党の新総裁が27日、石破茂氏に決まった。千葉県連内からは石破氏の地方での人気の高さから期待する声が上がった。一方で、党総裁選で高市早苗氏への支持に回ったとされる「岩盤保守票」が党から離れるのではと複雑な思いで受け止める地方議員もいた。総裁選で争った小林鷹之前経済安全保障担当相(衆院千葉2区)は力及ばず、敗れた。県政界の反応を聞いた。

「石破氏の勝利は党員の皆さまのおかげ。新政権では(党派閥のパーティー収入不記載事件の)政治とカネの問題で失った国民の信頼を取り戻し、国のためになるクリーンな政治ができればいい。オール自民党で頑張りたい」

本県で石破氏の推薦人となった門山宏哲法務副大臣(衆院比例南関東)は総裁選を終えた直後、こう語った。門山氏の千葉市内の事務所は支持者から「良かった」「頑張ってね」と電話が鳴りやまなかった。

桜田義孝県連会長(衆院比例南関東)は「新総裁が選任され、一党員としてうれしく思う。9人の候補者が白熱した議論を展開し、多くの国民の皆さまにも党の層の厚さを認識いただけた。一致結束し、政策を実現していけると期待する」とコメントを発表した。

友党の公明党県本部の平木大作代表(参院議員)も「結束して国民のための政治に邁進(まいしん)できると確信する」とお祝いのコメントを寄せた。

一方で、高市氏に党員票を投じた本県の自民地方議員などからは先行きを不安視する意見が聞かれた。

「決選投票の結果には失望した。石破人気は地方の都市部はそれほどではない。野党寄りの政策も多く、岩盤保守層は間違いなく逃げる。次の国政選も党の顔にはなれない」(中堅県議)

「石破氏は政策面などで身内の内閣や党を背後から撃ち、不興を買ってきた。党内結束は容易ではないだろう」(ベテラン秘書)

石破新総裁誕生に野党は気もそぞろだ。総裁選でメディアに出演した際、「新政権はなるべく早期に信を問うのも当然だ」と発言していたためだ。

立憲民主県連は「空白区」だった衆院千葉6区に女性県議を立てる方針を決めるなど、対応を急ぐ。

奥野総一郎県連代表(同千葉9区)は「新総裁には『裏金』の解明や政治改革を進めてほしいが、石破氏は結局、旧派閥単位の支援で当選した。これまでの自民党の姿勢と変えられないのではないか」と突き放した。

共産党県委員会の小倉忠平委員長は「いま問われているのは自民党政治そのものを変えることだ。党の『表紙』だけをかえ、新首相が注目を得ている間に総選挙をやってしまおうという党利党略は許されない」と牽制(けんせい)した。

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