「議会の権威低下を招いた」 奈良・香芝市議会、川田議長への辞職勧告決議可決

奈良県香芝市の9月定例市議会は25日、議長を務める川田裕市議について、議会の権威を低下させるような議事進行を行ったとして、辞職勧告決議を動議し、賛成多数で可決した。同市議会事務局によると法的な拘束力はない。

同市議会は開会初日の2日に川田氏の議長職に対する不信任案を可決したが、川田氏は議長を継続していた。

25日の議会では、これを不服として一部の市議が議長職に対する辞職勧告決議の動議を図ったが、議会運営委員会は不信任、辞職勧告のいずれも目的が議長の解任で、一度議決した事案を同じ会期中に審議しない「一事不再議」に当たると判断したため動議は見送られた。

川田氏への辞職勧告は青木恒子議員(共産)が発議。青木氏が令和3年の市議会で議長の発言をただしたことを発端に計5回の陳謝が科され、4年12月に出席停止4日間の処分が下されたことや、9月議会初日に奈良新聞に対して川田氏が議場内での撮影を認めなかったことを問題視し、「道義的な責任は重く、議会の権威の低下を招いた」などと訴えた。

これに対し、川田氏は「懲罰事案は懲罰委員会で審議された」などと釈明し、「乱用的な動議は正常ではなく、権限が歪曲(わいきょく)されている」と述べた。

ジャンルで探す