なぜうまい人ほどラウンド内容を覚えているのか!? プレーを覚えておくメリットとすぐに実践できる記憶法とは?
うまい人ほどコースや前回のプレーを覚えていたり、同伴ゴルファーのプレーを振り返ることができるといいます。ということは、うまくなるためにはコースやプレーをラウンド中にしっかりと記憶することが近道になるのでしょうか。
自分のプレーとコースを記憶していると練習課題が明確になる
トーナメントプロの多くは、昔の試合のコース状況やプレー内容のほかに、同伴プレーヤーの内容まで詳細に覚えていることがあります。アマチュアでも上級者ほど、プロ同様にプレーの記憶が鮮明に残っているものです。
プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス経験を持つインドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチに話を聞いても、「非常に高い確率で上級者ほど詳細に覚えている」といいます。ということは、コースやプレー内容を覚えておくことで上達する可能性が高まるのでしょうか。
まずラウンド時のプレー内容やコースを詳細に記憶できる人ほど、その後の練習で課題やテーマを具体的に把握できるメリットがあります。
また同じコースを再びラウンドした時に、自分のプレー内容を記憶していることで、クラブ選択やミスの回避などコースマネジメントの面で大きなプラスになります。
ビギナーの頃から自分のプレーやスコアを全部記憶することは難しいと思います。ですが、ある程度まとまってスコアメイクができて上達意欲があるならば、ラウンドの記憶力をアップさせることは間違いなくプラスに働くことでしょう。
「記憶」に自信がないならば「記録」してみよう
「記憶」に自信がなくて「覚えておかないとダメなの?」という人は、「記録」することでもいいと思います。できればスコアだけじゃなく、コースに対してどんな番手でどこに打ったのかもGPSゴルフナビやアプリで記録しておくと、次第に頭に入って来ることが実感できてくるはずです。
最初はアプリの機能に任せて「前回はここに打ったのか」などと振り返りながら、コース戦略を行う形でいいと思います。だんだんコースレイアウトや自分が使った番手が思い出せるようになり、やがては状況やライなども思い出せるようになります。
単純に頭の活性化になりますし、練習時もスイング作りばかりではなくラウンド時の状況に合わせた練習をしたくなってくるでしょう。
「全然ダメだった」ラウンドでも「どこがよかったか?」を思い出す習慣を
生徒からラウンドの報告をしてもらう際に、私は悪かったプレーの話よりも先によかった点を挙げてもらうようにしています。
たとえば以前、「ドライバーが全然ダメだった」と悪かったプレーを真っ先にいう人がいました。OBやペナルティーがあったのかと聞くと、それは否定。ダメな理由は「いまひとつ芯を食わなかったから」との答えが返ってきました。
つまりスコアメイクをするうえで「貢献度」が高かったショットと低かったショットの分類と、「自己満足度」が混同したままなのです。芯を食わなくてもOB・ペナルティーがなければ、スコアの貢献度は悪くないはずです。
自分の印象記憶として「自己満足度」が悪いだけです。そんなゴルファーがたくさんいますが、冷静に記憶から貢献の高いショット、低いショットを見極めて反省点を練習できるようにしたいものです。
また、全体のパット数やパーオン率も記録するべきですが、数字の「中身」を覚えていないと良し悪しだけの記憶しか残らなくなってしまう場合があります。その点、プレー内容やコースを「記憶」または「記録」しておけば、間違った認識やそれにまつわる無意味な練習が起きにくくなります。
ちなみに、いくら記憶力が高くても、他の人のプレーやスコアまで相手に話してしまうのは危険なので注意して下さい。相手のゴルファーは親切心よりも不快に感じ、嫌味にしか聞こえない場合もあります。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
11/25 20:10
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