ワングリーンより周辺のトラップが多いって本当!? 2グリーン攻略に必要なスタート前練習とマネジメント術とは?
寒暖差の大きい本州を中心としたゴルフ場の多くは2つのグリーンを備えていて、季節やグリーンコンディションによって使い分けています。2グリーンのゴルフ場を攻略するには、ワングリーンとは異なる使用クラブの選択や狙い方を知っておくといいそうです。
ワングリーンより周辺にトラップが多く配置される可能性が高い
四季の寒暖差が大きな日本には、グリーンメンテナンスの観点から2グリーンを採用しているゴルフ場が関東を中心に数多くあります。海外では非常に珍しい2グリーンを攻略するには、ワングリーンとの違いをいくつか知っておくべきです。
まず基本的に2つのグリーンとも面積が小さいため、ワングリーンに比べてショットがグリーンに乗りにくく、アプローチの回数が多くなります。逆に乗ってしまえばワンパット、つまりバーティーチャンスの可能性も多くなります。
パーオン率は低くなりますが、パット数は少なくなるといえるわけです。ですから2グリーンのゴルフ場では、スタート前にロングパットの練習を行うよりも、グリーン周りのアプローチ練習に時間を割いておくのが準備のコツになります。
また、いくら小さいグリーンとはいえ2グリーンはワングリーンよりも敷地を多く取ります。そのぶんホール外周の敷地に余裕がなく、バンカーやワンペナ、OBなどの厳しいトラップやペナルティーがあるのも大きな特徴です。
グリーン上のどこにピンが切ってあっても、2つのグリーンの間のエリアに外すのはOKと考えて、トラブル回避するのが基本的な攻略になります。
砲台グリーンはオーバー厳禁! 番手選びで迷ったらショートOKと割り切る
ベテランの上級者ほど、グリーンの手前から攻めろと口を酸っぱくしていうのは、2グリーンのゴルフ場でプレーした経験が多いことも背景にあります。
グリーンメンテナンスの都合上、ほとんどの2グリーンは花道や周囲のラフよりも高く上がっている砲台グリーンになっています。そのためグリーンをオーバーしてしまうと、ピンに近い距離から高くてスピンが効いた難しいアプローチを要求される状況が多くなります。
ちょっとミスするだけでグリーンにボールが残らず、大叩きしてしまうこともあり得ます。先ほどもいったように敷地の関係から奥や左右がすぐOBや林ということも多いので、OBだけでなくロストボールやペナルティーが簡単に出てしまうゴルフ場もたくさんあります。
特に初めてのゴルフ場では「2グリーンはオーバー厳禁」と考え、番手選びに迷ったら短いクラブを選びましょう。届かなくてもいいと割り切ってプレーしなければいけません。
それぞれのグリーンが離れている「2グリーン」は難易度が高い
2グリーンの中でも難易度が高いのが、左右のグリーンが離れていて、その間に木やバンカー、強い傾斜などがある場合です。
グリーンが小さいうえに、外した場合にアゴの高いバンカーショットや高さのあるロブショットなどを要求されるため、簡単に大叩きしてしまう可能性があります。
多少のアップダウンがある丘陵コースで、グリーンが小さく、傾斜や深いバンカーが配置された2グリーンのゴルフ場は、中・上級者でもセカンドショット以降の精度が要求される腕試しのコースといえます。
ティーショットの位置によっては左右のグリーンが狙えなくなってしまうようなドッグレッグホールや、木が絶妙に邪魔をするコースも多くあるので、まずはティーショットでのワンペナやOBを最低限回避しましょう。
そうして集中力をセカンドショット以降のグリーン周りに取っておいて、しぶとく一打一打をこなすようにする。それが、グリーン周りの難易度が高い2グリーンのマネジメント術です。
誰もが2グリーンのゴルフ場をそつなくプレーしたいと思っています。そのコツは、飛ばしやビッグプレーよりも、スモールゴルフに徹することです。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
11/22 14:10
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