3万円以下はうれしいけど性能が気になる! 売れまくりレーザー距離計「レーザーキャディ GL04」の実力をチェック

ゴルファーの必需品となってきた距離計測器も毎年のように新モデルが発売されている。新たなトレンドや付加価値の切り口でさまざまな新製品が発売される中、2カ月連続で第1位の販売実績を上げているレーザー距離計に注目し、理由を探ってみた。

GPS距離計の専門メーカーからの発展

 ゴルフ業界では、以前からマーケットの市場動向を把握するために矢野経済研究所の調査データを活用してきました。ゴルフクラブの販売実績がメインですが、最近では、距離計測器の販売データもわかるようになりました。

 距離計がゴルファーの必需品となったことの表れかと思いますが、その「YPSゴルフデータ」で7、8月と2カ月連続でゴルフ用距離計の売り上げ第1位となった機種が気になり、早速デモ機を拝借して試してみました。

コスパのよさで多くのゴルファーから支持を集めている「グリーンオン レーザーキャディ GL04」

コスパのよさで多くのゴルファーから支持を集めている「グリーンオン レーザーキャディ GL04」

 GREENON LASER CADDIE GL04(グリーンオン レーザーキャディ GL04)。ホームページを開くと有村智恵プロがファインダーを覗いている写真が飛び込んできます。筆者の記憶をたどると、元々はMARSという宇宙工学出身の社長が創業したGPS距離計を得意とする会社で、距離計の黎明期より人気の有村プロと契約し、GPS距離計を一般のゴルファーに広めようと努めていた印象があります。

 現在は、社名も製品ブランド名とそろえGRRENONに変更。レーザー距離計も展開する総合距離計メーカーになっているようです。

 長年GPS距離計で培ったノウハウを基に、ゴルファーのマインドをガッチリつかんだレーザー距離計はどこが魅力なのでしょう。

瞬時に0.1ヤード単位の距離が表示される

 まず、デモ機を手にして「軽量・コンパクト」という今年のトレンドをきっちり抑えていることに納得しました。142グラムと軽く、幅は約10センチ、これならポケットに入れたままプレーできます。距離計の二刀流のプレイスタイルには大切な要素です。

 ファインダーを覗くと全体が明るく景色が鮮明に映ります。AMOLED(高透過LED)、スマホやテレビでよく耳にする有機ELの採用による色の鮮やかさのようです。ボタンを押すと赤文字と緑のターゲットマークが出現します。筆者は黒表記よりも赤緑表示を好み、とても見やすいです。さらに5段階で明るさ調整ができ、より瞬時に把握できます。

「スロープモード」の解除ができるファインダーの左下ある「S」マークの赤いボタン、解除後は競技でも使用可能

「スロープモード」の解除ができるファインダーの左下ある「S」マークの赤いボタン、解除後は競技でも使用可能

 セカンド地点から「GL04」でピンフラッグを狙いました。残り100ヤード強かなと思いつつ、ファインダーを覗くと瞬時に107.8ヤードの表示。0.1ヤード刻みです。真ん中の十字マークの下には「SLOPE」+2.0。2段目は「ACTUAL」104.6の表示。推奨距離、傾斜、直線距離の順番です。

 ボタンを押したまま左右のバンカーに当てます。「スキャンモード」でそれぞれの距離を連続で瞬時に測定。欲しい情報がすぐに手に入り、スムーズな所作でプレーに集中できます。ファインダーの左下ある「S」マークの赤いボタンを押して「スロープモード」を解除すれば、競技でも使用可能です。

 一般的なスライドボタンのプレー中の誤作動のリスクも考えているようです。

「ピンサーチモード」も搭載で誤計測を防止

 次のホールのセカンド地点からは目視で150ヤード以上ありそうです。二刀流の筆者は、スタート前に「ピンサーチモード」をデフォルトにしました。ファインダーの右側にフラッグマークが現れます。

 電源ボタンを押しながら、中央の十字マークをピンフラッグに当てます。すると緑色で四隅を囲ったロックアイコンが表示されて振動し、数字が固定され、計測完了。間違えて奥の木を計測した数字を信用し、クラブの番手ミスを起こすことはなくなります。

幅10センチ、142グラムというサイズでレーザー距離計のトレンドである「軽量・コンパクト」をキッチリ抑えている

幅10センチ、142グラムというサイズでレーザー距離計のトレンドである「軽量・コンパクト」をキッチリ抑えている

 今では高性能のレーザー距離計にはピンサーチ機能は必須といっていい機能ですが、「GL04」のロック、計測の速さには正直驚かされました。

 実際にラウンドを通して使ってみて、とにかくノンストレスでスムーズにプレーできました。期待以上で実践向きの優れたレーザー距離計でした。

 この高性能のレーザー距離計が、税込3万円を切る価格は魅力的です。「有機ELを使っているのにこの価格だよな、高コスパなら人気があるのも当然」と感じました。さらに、「GREENON」が元もと得意とするGPS距離計ユーザーの製品への満足度とブランドへの信頼度が高く、それを活かしたブランド戦略もレーザー距離計が売れている理由の一つであるように思います。

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