「練習ではゴルフシューズを履かないほうがいい」は昔の話? スパイクレスの進化とスニーカー練習のデメリットとは?

一昔前は「ゴルフシューズで練習すると、鋲(びょう)の高さのぶんだけボールとの距離に違和感が出るので控えた方がいい」などといわれていました。

スパイクレスの進化がめざましい

 筆者がゴルフを始めた25年前、「練習のときもゴルフシューズを履いたほうがいいのですか?」と知り合いのティーチングプロに質問したところ、次のような答えが返ってきました。

「練習のときはゴルフシューズを履かないほうがいいですよ。その理由はソフトスパイクを履いて練習場の打席に立つと、スパイクのぶんだけ高くなるからです。コースに行くとスパイクの部分は土の中にめり込むので、練習と本番でボールと目の距離が微妙に変わってしまいます」

「それとソフトスパイクの鋲(びょう)は練習場のマットの上でショット練習を繰り返すと、すぐにすり減ってしまいます。長持ちさせるためにも、練習では靴底が平らなスニーカーを履き、ゴルフシューズを履くのはゴルフ場だけにしたほうがいいです」

進化が著しいソフトスパイクのゴルフシューズ

進化が著しいソフトスパイクのゴルフシューズ

 その言葉を聞いて以来、筆者は練習時にスニーカーを履き続けてきました。ところが最近、「練習のときもゴルフシューズを履いたほうがいい」という論調の記事を見かける機会が増えました。その根拠は次のようなものです。

「かつてはソフトスパイクを履いて練習すると、練習と本番で高さが違うからスニーカーで練習したほうがいいといわれていました。でも、スニーカーで練習することもデメリットがあります」

「スニーカーは歩いたり走ったりするときに履くように設計されているので、タテの動きには強いのですが、ヨコの動きにはあまり強くありません。ゴルフはショットのたびに両足をタテからヨコにねじるので、シューズへの負担が大きくなります」

「近年はスパイクレスシューズが進化し、ソフトスパイクと同等のグリップ力を発揮してくれるようになりました。スパイクレスシューズであれば練習と本番で高さが変わることもなく、タテからヨコにねじる動きが安定するように設計されています。ゴルフ場でスパイクレスシューズを履く人は、練習のときも履いたほうがいいです」

 確かに近年はスパイクレスシューズの進化が目覚ましいです。かつてはゴルフ場でプレーする際のグリップ力はソフトスパイクのほうが圧倒的に上といわれていましたが、今はスパイクレスシューズでも遜色のないグリップ力を備えたモデルが増えています。

 筆者も2023年冬にニューバランスの新作シューズ発表会でスパイクレスシューズを試着したことをきっかけに、それまで履いていたソフトスパイクを廃棄処分にしてスパイクレスシューズに切り替えました。

 ただ、そのスパイクレスシューズを練習で履くのには抵抗があります。コースでも練習でも同じシューズを履くとシューズの消耗が早くなります。そんなわけでスニーカーでの練習を続けていたのですが、あることをきっかけに考え方がガラッと変わりました。

スニーカーで練習を続けているとシューズがねじれる

 きっかけは「メトリクスフォーム」というトレーニング用のマットを取材したことでした。女子ツアーに帯同しているフィジカルトレーナーが選手たちのウオーミングアップで使い始めたというウワサを耳にしたので、どのようなアイテムでどんな効果が見込めるのか話を聞きに行きました。

 すると元々はリハビリ用のマットが柔らかすぎてバランスが取りにくいので、もっとバランスが取りやすくて正しい姿勢に導くことができるマットを作りたいというコンセプトで開発された商品でした。

 そのマットがプロゴルファーの姿勢改善や体幹強化にも活用できるのではないかということでフィジカルトレーナーがトーナメント会場で使い始め、選手たちの評判がいいので使い続けているという話でした。

 このトレーニングマットはタテ40センチ、ヨコ20センチ、厚さ2.5センチの何の変哲もない黒色のマットなのですが、マットの上で片足立ちした後に床の上で片足立ちすると、不思議とバランスが取りやすくなるのです。

 1枚3960円とそれほど高価ではなく、インターネットで買えるということなので試しに購入して毎朝乗るようになりました。

 すると今まで練習時に履いていたスニーカーが明らかにねじれていることが分かるようになり、足裏の感覚が気持ち悪くて履けなくなってしまったのです。そうなると新しいスニーカーを購入しても、またねじれてしまうことは目に見えています。

 かといってラウンド用のスパイクレスシューズを履いて練習するのは抵抗がありますし、練習のたびにクラブとシューズのケースを同時に持ち歩くのも面倒くさいです。

 考えた結果、ラウンド用のスパイクレスシューズとは別に練習用を購入することにしました。このシューズをタウンユースと兼用にすれば、シューズケースを持ち歩く必要もありません。

 これによって練習の質が上がり、ゴルフ場でのパフォーマンスアップにもつながるかどうかは分かりませんが、スニーカーで練習していたときと比べて何らかの違いが生じてきたら、あらためて記事にしたいと思います。

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