西郷真央が悔し涙 「カメラの音がひどかった。イラっとしちゃいました」 最終18番で痛恨ダボ… 韓国開催の米ツアーで12位タイ

韓国で開催された米女子ツアー「BMW女子選手権」の最終日。西郷真央(さいごう・まお)が日本勢最上位となる通算13アンダーの12位タイで4日間の戦いを終えた。

18番でティーショットを曲げてスコアを落とす

◆米国女子プロゴルフ

BMW女子選手権 10月16~19日 ソウォンバレーCC(韓国) 6666ヤード・パー72

 ホールアウト後の表情がすべてを物語っていた。

 前半を2バーディー、1ボギーで、後半は2つスコアを伸ばし通算15アンダーで迎えた最終18番。このまま上がればトップ10入りは確実だったが、ティーショットを曲げた。

通算13アンダーの12位タイで戦いを終えた西郷真央 写真:Getty Images

通算13アンダーの12位タイで戦いを終えた西郷真央 写真:Getty Images

「カメラの音がひどかったので、さすがにスイング中だったのでちょっとイラっとしちゃいました」

 この日はショットの調子が良く、「きょう一日を通して自分の思ったところにショットが打てていた」と、14ホール中(4つのパー3以外)13ホールでティーショットをフェアウェイに置いた。

 外したのはこの18番ホールのみ。最後はどうにかダブルボギーで切り抜けたが、通算13アンダーの12位タイで大会を終えた。

 前半の8番から9番に向かう途中で足をひねって捻挫をしたことも明かし、その痛みで終盤は苦しい戦いになった。

「次戦にその影響はなさそうです。大丈夫です」と気丈に振る舞ったが、表情からは悔しさが読み取れる。最後はスタッフたちに肩を叩かれて会場を後にしたが、下を向いて涙をにじませていた。

米女子ツアーでギャラリーのスマホ撮影の現状は?

 現場でもアナウンスで「プレー中のスマホでの撮影を控えるように」と注意喚起はされていたが、厳密なペナルティーがあるわけではなく、ギャラリーのマナーに委ねるしか方法がないのが現状だろう。

 ただ、今回の韓国だけでなく、米本土の試合でも選手をカメラで撮る人たちがいるのは見慣れた光景で、以前は宮里藍も「アメリカの選手はシャッター音をあまり気にもしていなくて、それを見て神経質になるべきでないと思いました」と語っていた。

 日本のツアーでは考えられないが、米ツアーでは選手側が慣れてしまっているということ。

 ちなみに韓国の国内(KLPGA)ツアーでもスマホで選手のスイングを動画で撮影したり、写真を撮ったりする光景はよく見られるのだが、韓国開催の米ツアーでもギャラリーの認識はほとんど変わらないようだった。

韓国選手と同組で多くのギャラリーがついたのが原因?

 それに、西郷が“シャッター音にやられた”理由の一つとしては、最終日の同組に2020年の「全米女子オープン」を制している韓国のキム・アリムがいたことも大きいだろう。

 韓国選手には熱狂的な地元ファンやファンクラブの応援団がたくさんついているが、実際に選手の動画や写真をティーイングエリアで撮っている人が多かった。

 とはいえ、西郷はキム・アリムと個人的に仲がいい。「米ツアーではたくさん相談に乗ってくれて、めちゃくちゃかわいがってくれる。この間もパッティングの相談とかしたりして、面倒見のいいお姉さんです」と笑顔を見せていた。

 マナーの意識は各国の国民性に多少は表れるだろう。これも米ツアー1年目の洗礼というべきなのだろうか――。

 最後のティーショットを曲げたしまった原因の“カメラの音”にイラ立ちはあるが、これも経験と前向きにとらえ、西郷には次戦での奮闘を期待したい。

西郷 真央(さいごう・まお)

2001年生まれ、千葉県出身。19年に「日本女子アマ選手権」で優勝し、同年のプロテストに合格。22年にツアー初勝利を飾った。このシーズンは年間5勝を挙げる活躍でランキング5位に入っている。24年シーズンは米女子ツアーを主戦場にして、「CPKC女子オープン」2位などの成績を残している。日本ツアー通算6勝。島津製作所所属。

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