米ツアー初Vへ単独首位スタートの西郷真央はスコア伸ばせず2位タイに終わる 渋野ら他の日本勢の成績は?【米女子ゴルフ】

米女子ツアーのアジアシリーズ第1戦「ビュイックLPGA上海」は、地元・中国のイン・ルオニンが通算25アンダーで優勝。3日目を終えて単独首位の西郷真央(さいごう・まお)はスコアを伸ばせず、米ツアー初優勝はおあずけとなった。

地元イン・ルオニンの勢いに乗ったプレーに屈す

◆米国女子プロゴルフ

ビュイックLPGA上海 10月10~13日 上海旗忠GC(中国) 6672ヤード・パー72

 西郷真央の初優勝は、地元・中国のイン・ルオニンの猛攻に阻まれた。

 米女子ツアーのアジアシリーズ第1戦「ビュイックLPGA上海」最終日(13日)は、通算18アンダー単独首位で臨んだ西郷が思うようにチャンスを決められず、足踏みしているうちにインが8バーディー、ノーボギーでプレーして逆転。通算25アンダーで、2位の西郷、キム・セヨン(韓)に6打差をつける圧勝を飾り、地元大会を大きく盛り上げた。西郷は通算19アンダーでキムとともに2位タイに終わった。

単独首位スタートもスコアをのばせず米ツアー初優勝はおあずけとなった西郷真央 写真:Getty Images

単独首位スタートもスコアをのばせず米ツアー初優勝はおあずけとなった西郷真央 写真:Getty Images

 西郷に1打ビハインドでスタートしたインは、1番バーディーで早くも首位に並ぶ。パーを重ねる西郷に対し、5番バーディーで単独首位に立った。中盤は混戦を思わせる展開だったが、インは11番のバーディーで2打差をつけると、13番からの3連続バーディーで一気に波に乗った。

 一方の西郷は、2番で1メートルのチャンスがカップに蹴られてバーディーを逃すと、7番でグリーン手前から寄せきれずにボギー。8番バーディーですぐに取り返したが、その後はスコアカード通りのプレーが続いた。

 同じ最終組でプレーするインへの声援がどんどん大きくなるアウェー状態の中、それでも17番では2オン・2パットのバーディーで意地を見せた。

 独走態勢となったインだが攻めの姿勢を崩さず、上がり2ホールを連続バーディーで締めて通算25アンダー。西郷、キムを突き放し、大喝采を浴びた。

 ルーキー・オブ・ザ・イヤーのタイトルに向けて突っ走る西郷だが、米ツアーでの最終日、最終組は初めての経験だった。「緊張はしなかったけど、思うようなショットが打てた回数が少なかった。最初にパットを外してしまって……」と悔しさをにじませる。

「フェアウェイに置いても、ビトウィーン(の距離)が続いて。運もツキもなかった」と逆転負けを振り返った。

 それでも、プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに向けては価値ある2位タイ。残り少ないシーズンで、初優勝を狙う。

復調気配の畑岡奈紗がトップ10フィニッシュ

 畑岡奈紗は鮮やかなイーグルでギャラリーを沸かせた。首位に7打差ながら5位タイからの逆転を狙った最終日。一進一退のスコアで迎えた終盤に見せ場を作る。16番バーディーの後、17番パー5の第2打がピンデッドのスーパーショット。1メートルを沈めるイーグルを奪い、歓声に包まれた。

 これにより通算13アンダー9位タイでフィニッシュ。

「今日はもったいないボギーもあって前半からスコアを伸ばすことができなかったけど、17番でイーグルが取れてよかった。(シーズンが)残り少なくなってきたけど、調子は徐々に上がってきてるので、優勝できるように頑張ります」

 2022年「DIOインプラントLAオープン」以来となるツアー通算7勝目に向けて、明るい兆しに笑顔を見せた。

 日本で生まれ育ったが国籍は中国の森田遥も、畑岡同様11アンダー5位タイからスタート。2バーディー・3ボギーと1つスコアを落としたが、通算10アンダー17位タイとまずまずの結果を出している。

 最終日にようやく笑顔が弾けたのが渋野日向子だ。通算5オーバー69位タイで10番からスタートすると、11番ボギーの後、12、13番で連続バーディー。パー5の17番もバーディーを奪って、気分よく折り返す。

 後半も3番、4番、7番とバーディーを重ね、リズムよくプレー。9番パー5はボギーとしたが、通算1オーバー59位タイに順位を上げて大会を終えた。

 他の日本勢は、勝みなみが通算イーブンパー57位タイ、西村優菜が通算5オーバー72位タイ、稲見萌寧が通算8オーバー76位。米女子ツアーアジアシリーズは、次週、韓国を舞台にした第2戦「BMW女子選手権」(17~20日、セウォンバレーCC)へと続く。

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