173センチの16歳・韓国“スーパーアマ”が米女子ツアーで躍動! 同組の笹生優花よりも飛んでいた驚異の平均飛距離とは!?

韓国で開催中の米女子ツアー「BMW女子選手権」は3日目を終了。オーストラリアのハンナ・グリーンが18アンダーで単独首位に立っている。並み居る実力者がしのぎを削るなか、地元・韓国の16歳アマが8アンダー25位タイと健闘している。

笹生優花を平均10ヤードも上回る!?

◆米国女子プロゴルフ

BMW女子選手権 10月16~19日 ソウォンバレーCC(韓国) 6666ヤード・パー72

「オ・スミン選手、サインください!」

 韓国開催の米女子ツアー「BMW女子選手権」で、地元のギャラリーが声をかけている相手は、「KOREA」の文字が刻まれた赤のキャップに黒のウエアを着た長身の選手。恥ずかしそうにサインと写真撮影に応じていた彼女の名前はオ・スミン。高校1年生の16歳で、韓国では“スーパーアマチュア”と言われる逸材だ。今大会には招待選手として出場。

当サイトの取材に答えてくれたオ・スミン

当サイトの取材に答えてくれたオ・スミン

 韓国ゴルフ協会(KGA)ランキング1位、世界アマチュアゴルフランキング15位で、いま韓国では大注目の選手である。

 アマチュアながらサインを求められるのも無理もない。今年は4月の「コチャン コインドル杯 アマチュア選手権」、6月の「韓国女子アマチュア選手権」、7月の「韓国ジュニア選手権」といった主要アマの大会をすべて制覇。また、推薦出場した3月の韓国女子(KLPGA)ツアー「ハナ金融グループ シンガポール女子オープン」で3位に入って、その名をゴルフファンに知らしめた。さらに9月の「OK金融グループウッメンオープン」2日目には「63」で回り、自身のラウンドベストを更新した。

 試合では初日「69」、2日目「69」、3日目「70」で回り、通算8アンダーの好成績で最終日を迎えている。米ツアーのトッププロに引けを取らないショット力で、何度もギャラリーを沸かせていたが、彼女の一番の魅力は“飛距離”にある。

 がっしりとした体格ではないが、173センチの長身を生かした大きなスイングアークから繰り出されるドライバーショットに、ギャラリーからは毎回、歓声が上がった。インパクトの音、スイングスピードとパワーは、同組で回っていた笹生優花をも上回るほどだった。

 実際、LPGA公式サイトを確認すると、大会3日間のトータルのドライビングディスタンスは笹生優花が263ヤードで、オ・スミンは273ヤード。目を疑ったが、データは間違いない。恐ろしい飛距離の持ち主であることは、すでに韓国でも大きく報じられている。

男子プロが使うXシャフトを使用

 経済紙「毎日経済」によると、「オ・スミンは男子プロが使用する“X”のシャフトを使っている。KLPGAツアーの選手のなかでもドライバーにXシャフトを使用している選手は見たことがない」とのこと。その理由についてオ・スミンはこう答えている。

「Sシャフトを使用すれば、今よりも距離が10ヤードは伸びます。それでもスイングする時に、シャフトがしなる感じがあり、Xシャフトを使っています」

 ショットの方向性を安定させるための措置だというが、まだ16歳の女子高生とは末恐ろしい。

 ちなみに彼女、今季の日本女子ツアー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」にアマチュアとして初出場、初優勝したイ・ヒョソンと同じ韓国ナショナルチームで、2008年生まれの同級生でもある。イ・ヒョソンは今夏にプロ転向し、韓国を離れた。

「日本ツアーで優勝する瞬間は映像で見ました。韓国代表として一緒に過ごした時間がすごく楽しくて、日本ツアーに行ってしまったのはすごく寂しいです。今も毎日のように連絡を取り合っているのですが、プロ転向して日本でいい成績を残してほしいし、私はどこにいても応援しています」

 親友の決断に刺激を受けたオ・スミン。「目標はナショナルチーム選手として、オーガスタ女子アマで優勝すること、プロの試合で私も優勝してみたいです。もちろん、日本ツアーの出場資格があれば出てみたい」。

 韓国にはイ・ヒョソンのほかにもこんなにすごいアマチュアがいる。いつか日本でもアッと驚かすプレーでギャラリーを沸かす日が来るかもしれない。

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