「この1年ですごく感じた」米ツアールーキー西郷真央が気づいた “優勝争いするための考え方”とは?

西郷真央が韓国開催の米女子ツアー「BMW女子選手権」の初日、7バーディ、1ボギーの66で回り、6アンダーの5位タイでフィニッシュした。

「出だしからバン!といかないと追いつかない」

◆米国女子プロゴルフ

BMW女子選手権 10月16~19日 ソウォンバレーCC(韓国) 6666ヤード・パー72

 西郷真央が韓国開催の米女子ツアー「BMW女子選手権」の初日、7バーディ、1ボギーの66で回り、6アンダーの5位タイでフィニッシュした。

5位タイでスタートした西郷真央 写真:Getty Images

5位タイでスタートした西郷真央 写真:Getty Images

 トータル7つのバーディを奪ってスコアを伸ばしたが、17番パー4で痛恨のボギー。「ティショットのアングルが練習した時よりも、ティーが右前に出てきたのもあって、少し打ちづらくてバンカーに入れてしまいました」と苦笑い。それでも「最後(18番パー4)はしっかりバーディーでバウンスバックすることができたのでよかった」と会心の内容だった。

 先週の「ビュイックLPGA上海」では、最終日最終組で優勝争いを演じて2位タイ。優勝できなかった悔しさは残したものの、勢いそのままに韓国に乗り込んできた。

 初めて回るコースだったため、入念にチェックしたのが功を奏した。「月曜日は移動しかできなくて、火曜日はプロアマでワンラウンドしましたが、コースを全部見切れなくて。水曜は前半ラウンドして、体がしんどかったけれど、アプローチとパターを持って後半回りました。その確認をしておいてよかった。ショートサイドでも実際に見たり、打ったりしてみないと分からないところがあるので、そこはしっかりできたと思います」

 徹底したコースチェックは、ルーティンの一つでもある。こうした意識の高さに加えてもう一つ、スコアをまとめる考え方にも変化があった。

「米ツアーに来た当初は、最終日になるにつれて、尻上がりに(スコアを)良くしたいという感覚があったのですが、それだと上位争いまでいけない。出だしからバン!と行かないと追いつかない。こっちの選手は常に伸ばしてくる感覚がある。それはこの1年プレーしていてすごく感じたところです」

 出だしから高い集中力でバーディーを獲っていかなければ、優勝争いはできないことを今年の試合で思い知った。だからこその初日のプレーだった。

34年ぶりの新人賞獲得にも期待

 ちなみに今季は23試合に出場し、トップ10入りは7回。「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」(新人賞)争いでは1位(829ポイント)。2位のイム・ジンヒ(韓国)には122ポイントの差をつけており、1990年の小林浩美が以来、34年ぶりのタイトル獲得に大きく近づいている。

 今大会も新人賞争いをする2位のイム、3位のガブリエラ・ラッフルズ(米)と初日から同組で回った。「ジンヒとは練習ラウンドしたりして仲良くなって、普段からよくしゃべるんです。バチバチする感じも全然ないです(笑)」と互いに意識することはないが、やるからには獲りたいタイトルだろう。スタートダッシュに成功した西郷は、2日目以降もバーディー量産し上位争いに食い込みたい。

 また、他の日本勢は勝みなみが4アンダーの22位タイ、笹生優花と西村優菜が3アンダーの28位タイ、古江彩佳が2アンダーの39位タイにつけている。

西郷 真央(さいごう・まお)

2001年生まれ、千葉県出身。19年に「日本女子アマ選手権」で優勝し、同年のプロテストに合格。22年にツアー初勝利を飾った。このシーズンは年間5勝を挙げる活躍でランキング5位に入っている。24年シーズンは米女子ツアーを主戦場にして、「CPKC女子オープン」2位などの成績を残している。日本ツアー通算6勝。島津製作所所属。

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