「日本選手トップ10」が今季は過去最多に! 個人最多は110回の岡本綾子だが2位の68回は誰の記録?

「ビュイックLPGA上海」で西郷真央が2位タイ、畑岡奈紗が9位タイに入り、今季の日本選手トップ10フィニッシュは37回目となった。

過去最多を更新する37回目のトップ10フィニッシュ

 米女子ツアー秋のアジアシリーズ第1戦「ビュイックLPGA上海」で西郷真央が2位タイ、畑岡奈紗が9位タイの成績を収めた。これで日本人選手の今季通算トップ10入りが37回に達してシーズン歴代最多記録を更新。好調の日本勢がまた新たな記録をつくった。

 西郷にとっては悔しい2位タイだろう。3日目を終えて1打差首位。米女子ツアーで初めて首位で迎えた最終日はバーディー合戦の中、1アンダーの71と伸ばし切れずにイン・ルオニン(中国)に逆転負け。米女子ツアー初優勝はお預けとなった。

「ビュイックLPGA上海」で今季7回目のトップ10フィニッシュを果たした西郷真央 写真:Getty Images

「ビュイックLPGA上海」で今季7回目のトップ10フィニッシュを果たした西郷真央 写真:Getty Images

 5位タイで最終日に入った畑岡は途中までスコアをひとつ落とす大苦戦。それでも16番バーディー、17番イーグルと巻き返して9位タイでフィニッシュした。

 今季の日本勢はアジアシリーズ前まで計35回のトップ10入りをマークして従来の最多記録である昨シーズンの数字に並んでいた。そして「ビュイックLPGA上海」で西郷と畑岡がトップ10入りして新記録を樹立したわけだ。

 今季37回の内訳は古江彩佳10回、西郷7回、畑岡5回、笹生優花3回、渋野日向子勝みなみ、西村優菜、岩井明愛が各2回、稲見萌寧小祝さくら、竹田麗央、山下美夢有が各1回となっている。

 古江の10回は現時点でツアー1位タイの数。西郷の7回も6位タイと上位だ。

 今季は「全米女子オープン」で笹生、「エビアン選手権」で古江が勝ち、初めて日本勢が同一シーズンでメジャー2勝を挙げた。西郷はルーキー・オブ・ザ・イヤーに向けてランキング1位を快走中。国内組も多数参戦した「全米女子オープン」ではトップ10に日本人選手が歴代最多(日本開催を除く)の5人も入るなど躍進が続いている。そして今回、シーズントップ10入りの最多記録更新。新たな記録が次々に生まれている。

現役最多は畑岡奈紗の46回

 ここからは米女子ツアーにおける日本人選手トップ10入りの歴史をたどってみたい。初めてのトップ10入りは1970年5月の「ダラス・シビタン・オープン」で樋口久子が記録した9位タイである。この年から米女子ツアー挑戦を開始した樋口は渡米してわずか2試合目でトップ10入り。誕生して数年しか経っていなかった日本の女子プロが世界の舞台でも通用することを早々に証明した。

 最も多くトップ10に入った日本人選手は岡本綾子で計110回である。岡本は賞金女王に輝いた1987年に日本人選手シーズン歴代最多となる17回のトップ10入りを記録。この年は24試合に出場しており、トップ10率は71%というハイアベレージだった。

 通算トップ10入り回数歴代2位は宮里藍の63回。3~5位は49回の小林浩美、46回の畑岡、38回の樋口という並びになっている。

 シーズン2ケタ回数を記録しているのは岡本(5回)、宮里(2回)、畑岡(1回)、そして今季の古江の計4人だ。現在7回の西郷が今季中にあと3回トップ10に入れば、初めて同一シーズンで複数の日本人選手が2ケタ回数のトップ10入りを果たすことになる。

 今週、韓国で開催される「BMWレディース選手権」では古江が8月の「AIG全英女子オープン」以来の米女子ツアー合流。日本勢の厚みが増すから、一層トップ10入りの期待が高まる。

 今季の米女子ツアーは残り6試合。日本開催の「TOTOジャパンクラシック」では日本勢が大挙してトップ10に入るチャンスだ。現在37回のトップ10入りが50回に伸びても不思議ではない。シーズン終盤、日本勢のさらなる躍進を見たい。

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