「実際の使い勝手はどうなの?」 ガーミン最新レーザー距離計「Approach Z30」の便利機能をコースで確かめてみた

ガーミンのレーザー距離計「Approach Z30」は、同社のゴルフGPSウオッチやスマホの「Garmin Golf アプリ」と連動する機能を持つスグレモノのようです。実際の使い勝手はどうなのか、ゴルフライターの鶴原弘高(つるはら・ひろたか)さんが、ゴルフ好きイラストレーターの野村タケオさんと一緒にコースで使って確かめました。

単体のレーザー距離計としても使いやすい

 ガーミンのレーザー距離計「Approach Z30」は、同社のゴルフGPSウオッチやスマホの「Garmin Golf アプリ」と連動する機能を持つスグレモノのようです。実際の使い勝手はどうなのか、ゴルフライターの筆者(鶴原弘高)が、ゴルフ好きイラストレーターの野村タケオさんと一緒にコースで使用してみました。

ゴルフライター鶴原弘高さん(左)とイラストレーター野村タケオさん(右)の2人で、ガーミン最新レーザー距離計「Approach Z30」を検証ラウンド

ゴルフライター鶴原弘高さん(左)とイラストレーター野村タケオさん(右)の2人で、ガーミン最新レーザー距離計「Approach Z30」を検証ラウンド

 まずは、「Approach Z30」の基本性能から見ていきましょう。本体は、白と黒のツートンカラー。本体のサイド面にはマグネットを内蔵していて、乗用カートのスチール部分にくっつけておくこともできます。

 最近は小型軽量のレーザー距離計が他メーカーから登場していますが、それらに比べると「Approach Z30」の本体サイズは大きめ。とはいえ、手に余るほどではなく、本体は210グラムで、使用には問題ないレベルのサイズと重さになっています。

 レーザー距離計の性能でいちばん大切なのは、ターゲットまでの距離を間違いなく素早く測れるかどうかです。「Approach Z30」に採用されている6倍ズームのレンズはコース風景が明るく見えて、ファインダー内の数字や記号は赤色で表示されます。ともに視認性が良く、晴天や曇天でも見やすいのが好印象。測距の速度についても問題なく、プレー中にストレスを感じるようなことはありません。測距が成功したときには、本体がブルッと振動して知らせる機能もしっかり備わっています。

 ターゲットまでの高低差を測り、それを加減算して打つべき距離を表示する機能ももちろん搭載しています。競技で使うときには、高低差を計測しない設定にできて、そのときには本体前面にあるブルーのLEDライトが点灯する仕組みです。野村タケオさんも月例のクラブ競技に出ているので、「これなら安心して使えるね」とのことでした。

 ちょっと気になるのが価格です。基本性能が高い「Approach Z30」ですが、同社オンラインストアで税込み6万5800円と、それなりの価格なので、購入はこの後詳しく紹介する連動機能も踏まえて検討したいところです。ちなみに電源は最近主流の充電式ではなく「CR2」を使う電池式で、雨の日でも気にせず使える防水性能「IPX7」も備えています。

無料のスマホアプリと連携させるとピンの前後位置が分かる

「Approach Z30」は同社のゴルフGPSウオッチと連動する機能をそなえています。連動させることでさらに便利に使えるのですが、実は無料で使えるガーミンのゴルフアプリ「Garmin Golf」とも連動させることができます。ゴルフGPSウオッチを持っていなくても、スマホアプリだけでも使えます。

無料のスマホアプリの「Garmin Golf」と連動して、さらに詳しく計測結果を確認できる

無料のスマホアプリの「Garmin Golf」と連動して、さらに詳しく計測結果を確認できる

「Garmin Golf」は、スマホのGPSを利用したコースナビやスコア集計アプリとしても使えるのですが、Bluetoothで「Approach Z30」と連動させると、距離計で測った地点やターゲットが、リアルタイムでスマホアプリのホールマップに表示されるようになります。それだけでなく、「Approach Z30」本体のレンズをのぞいたときに、ピン位置がグリーン手前のエッジから何ヤードにあって、グリーン奥エッジからは何ヤードなのかをレンズ内で確認できるようになります。この「レンジリレー」と「フラッグファインダー」という機能がめちゃ便利です。

 グリーン上でのピンの前後位置が分かると、グリーンを狙うショットでの番手選びやコース戦略が変わってきます。ピン位置が手前なら、ちょっとぐらいオーバーめに打ってもグリーンに残るだろうと考えられます。逆にピンが奥目なら、グリーンオーバーに気をつけて手前から攻めるコース戦略に切り替えることもできます。特に打ち上げのホールや砲台グリーンなどでグリーン面が見えないときには、ターゲットの距離を俯瞰(ふかん)で把握できる「レンジリレー」機能が重宝します。

スマートさを求めるならゴルフGPSウオッチとの連動がオススメ

「Approach Z30」は、ガーミンのゴルフGPSウオッチとも連動します。ウオッチのソフトウエアをアップデートすることで、ガーミンの従来機種でも前述した「レンジリレー」の機能を使うことができます(※対応機種については、ガーミン公式ウェブサイトで確認を)。

ゴルフGPSウオッチを持っているとよりスマートにラウンドできる

ゴルフGPSウオッチを持っているとよりスマートにラウンドできる

 スマホアプリ「Garmin Golf」の良さは、ホールマップがスマホの大きい画面で見られるところです。とはいえ、プレー中にスマホをポケットに入れて持ち歩きたくないという人もいるでしょう。実をいうと、著者(鶴原)や野村さんも“スマホを持ち歩きたくない派”です。なので、持ち運びやすさと使い勝手を考えると、ゴルフGPSウオッチを所有して「Approach Z30」と同時使用するのが一番スマートな方法と考えられます。

風や標高まで加減算して“究極の打つべき距離”を示す「Plays Like 2.0」

 可能であれば、スマホアプリとゴルフGPSウオッチの両方を「Approach Z30」に連携させて使用しましょう。最新機種である「Approach S70」や「fenix 8」、「epix Pro」などと連携することで、風速、風向き、天気(気温・湿度)、高度、勾配を取得し、“究極の打つべき距離”を表示させられます。

ゴルフGPSウオッチで風速、風向き、天気(気温・湿度)、高度、勾配を取得し、打つべき距離を把握できる

ゴルフGPSウオッチで風速、風向き、天気(気温・湿度)、高度、勾配を取得し、打つべき距離を把握できる

 ウオッチ画面を上下にスライドさせると、各項目の数値も確認が可能。これが「Plays Like 2.0」という新機能です。

 この打つべき距離を表示する「Plays Like距離」は、ウオッチ側の設定画面で風速を含める機能のオンとオフ、天気を含める機能のオンとオフを個別に任意で決めることもできます。ちなみに著者(鶴原)の場合は、風向きや風速は自分で感じて読みたいので、その機能のみをオフにして使っています。

もう二度とレーザー距離計をコースでなくさない

「Approach Z30」をスマホアプリと連動させると、「Find My Garmin」という機能が使えるようになります。これは、スマホと「Approach Z30」が最後にBluetoothで通信したときの位置をアプリのマップ上に表示してくれる便利機能です。

距離計を置き忘れてしまったときに、スマホが最後に「Approach Z30」と通信した場所を教えてくれる

距離計を置き忘れてしまったときに、スマホが最後に「Approach Z30」と通信した場所を教えてくれる

「あ! どこかにレーザー距離計を置き忘れてきちゃった!」なんていう経験があるゴルファーは少なからずおり、結局見つからなかったという悲しい話もよく聞きます。そんなときに「Find My Garmin」機能を使えば、どこに置いてきたかの見当を付けることができます。

「Approach Z30」の「レンジリレー」や「フラッグファインダー」「Plays Like 2.0」は、ほかにはない独自機能とのこと。ターゲットまでの距離を測るだけではなく、レーザー距離計をコース戦略にも使いたいという人には、「Approach Z30」はピッタリなゴルフギアといえそうです。

【解説】鶴原弘高(つるはら・ひろたか)

1974年生まれ。大阪府出身。ゴルフ専門の編集者兼ライター。仕事のジャンルは、新製品の試打レポート、ゴルフコース紹介、トレンド情報発信など幅広く、なかでもゴルフクラブ関連の取材が多い。現在はゴルフ動画の出演者としても活躍中。YouTubeチャンネル:『A1 GOLF CLUB』 Instagram:@tsuruhara_hirotaka

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