打ちっぱなしでキャリーの感覚を養うアプローチ練習 1階打席を使うのは分かったけれど… どんな練習が効果的?

ゴルフ練習場(打ちっぱなし)でグリーン周りからのアプローチ練習をする際には、どのような練習をするのが効果的なのでしょうか。

練習場では1ヤード刻みのアプローチを繰り返すと効果的

 芝のあるアプローチ練習場を備えたゴルフ場なら、より実戦的な練習を重ねることができます。しかし、そうした設備を備えていないコースも珍しくないし、そもそもコースに行く頻度が少ないときには、どのように練習したらいいのでしょうか。

 現役のシニアツアープロでゴルフスクールも経営している梶川武志プロに、ゴルフ練習場(打ちっぱなし)でグリーン周りのアプローチを上達させる方法を紹介してもらいました。

ゴルフ練習場ではどのようなアプローチ練習が効果的なのか 写真:PIXTA

ゴルフ練習場ではどのようなアプローチ練習が効果的なのか 写真:PIXTA

「コースで芝の上から打つアプローチと、練習場のマットの上から打つアプローチは、色々と異なる面があります。マットでは多少ダフってもクラブヘッドが滑りやすいため、アプローチが簡単に思えるかもしれません。練習場では、簡単に打てるからこそ距離感を作る練習ができると考えてください」

「グリーン周りのアプローチの場合、キャリーは数ヤードから15ヤード程度でしょう。このキャリーの感覚を養うのがとても大切です。落とし所を間違えると、場合によっては大きくショートしたり、オーバーをしたりしてしまいます」

「今回ご紹介するのは、9ヤードから15ヤード程度を1ヤード刻み繰り返し打つ練習法です。まず、1階の打席で10歩程度の位置に何らかの目印を見つけてください。既に転がっているボールでも何でも構いません。その近辺にボールを落とせたら、次に1ヤード先に落とし、次に2ヤード先、3ヤード先に落としていくというやり方です」

「またこの練習で大切なのは、同じ距離を何度も打つのではなく、1球ごとに距離を伸ばしていくという点です。こうするとより早く距離感を作る感覚を身につけられます」

「私の場合は、これをミスしないで3週繰り返せれば成功、ミスをしたら最初からやり直し、というように緊張感を持ってやっています。アマチュアゴルファーの場合、3週連続は難しいので、まずは1週成功するまで続けてみてください。これでグリーン周りのアプローチがかなり上達するはずです。なお、この練習では球数がかなり増えるので、時間貸しの打ち放題がおすすめです」

「そして、アプローチでどれくらい転がるか(=ラン)は、打ち方やスピンの量で変わってきます。これは実際のラウンドやアプローチ練習場で、ボールの転がりをよく観察して把握していってください。もちろん傾斜や芝目で転がりは変わりますから、これらの状況も気にしておく必要があります」

ゴルフ場にアプローチ練習場がある場合は積極的に利用しよう

 梶川プロは、コースでできるアプローチ練習のポイントも紹介してくれました。

「グリーン周りのアプローチは、傾斜や芝目など状況はさまざまです。従って、実際に芝の上から、それぞれの状況を想定して練習すると実戦に近い練習ができます。コースに行ったとき、芝の上から打てるアプローチ練習場があるなら、スタート前にパター練習だけでなく、アプローチ練習は必ず行ってほしいですね」

「芝の上から打って、練習場で行っている9ヤードから15ヤードの距離感と、どれくらい感覚が違っているのか把握できれば、ラウンドで無意識に調整できるようになってくるはずです」

 トッププロでもパーオン率は7割程度です。つまり、約3割はアプローチでピンに寄せています。プロゴルファーよりもパーオン率が低いアマチュアは、グリーン周りのアプローチを磨いていけば、スコアアップの近道になるはずです。

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