竹田麗央が29人目の「年間5勝」を達成! 10勝到達は不動裕理のみだが9勝を達成したスゴイ3人とは?

「ゴルフ5レディス」で今季5勝目を挙げた竹田麗央。年間5勝はツアー通算29人目の快挙となった竹田は、宮里藍に次ぐ2番目の若さでの達成となった。

「年間5勝」の最年少は宮里藍の19歳

 メルセデス・ランキングトップに立つ竹田麗央が「ゴルフ5レディス」で今季5勝目を挙げた。シーズン5勝は簡単にできるものではないが、竹田で何人目の記録になるのだろうか。

 女子プロのトーナメントが始まったのは1967年だが、初期は年間1、2試合しかなかった。5試合を超えたのは1970年。初めてのシーズン5勝は1972年に記録した樋口久子だった。以降、数々の名選手がシーズン5勝を達成し、竹田が29人目となる。

「ゴルフ5レディス」を制し、史上29人目の「年間5勝」を達成した竹田麗央 写真:Getty Images

「ゴルフ5レディス」を制し、史上29人目の「年間5勝」を達成した竹田麗央 写真:Getty Images

 最も若くしてシーズン5勝を成し遂げたのは宮里藍。19歳のシーズンである2004年のことだった。宮里は翌2005年にも20歳で5勝をクリア(この年は計6勝)。今季が21歳のシーズンである竹田は宮里に次ぐ年少記録となる。21歳シーズンでの5勝は竹田のほか、上田桃子(2007年)、古江彩佳(2020-21年)、山下美夢有、西郷真央(ともに2022年)がマークしている。

 最も多くシーズン5勝をやってのけたのは樋口と台湾出身のト阿玉でともに通算6回である。この2人に次ぐのが不動裕理で通算4回。樋口、ト、不動は女子の通算優勝回数上位3人だ。

 歴代4位は通算2回で森口祐子宮里藍アン・ソンジュ(韓国)、イ・ボミ(韓国)、山下美夢有の5人。つまり、シーズン5勝を複数回達成しているのは8人しかいないことになる。

 今季はあと12試合残っているから、竹田にはさらに勝利を積み重ねることも期待できる。では、シーズン6勝にどれくらいの選手が達しているのかというと、15人である。5勝と比べると半数近くに減ってしまうわけだ。ここ10シーズンではイ・ボミ(2015年)、鈴木愛(2019年)、稲見、古江(ともに2020-21年)が6勝をクリアしている。

 シーズン7勝となると、樋口、岡本、ト、不動、イ・ボミ、鈴木、稲見の7人だけ。6勝からさらに半減した。8勝にまで進めるとイ・ボミと鈴木が脱落。樋口、岡本、ト、不動、稲見の5人になった。

 樋口と岡本は8勝まで。9勝をクリアしたのはト、不動、稲見の3人だ。そして2ケタ10勝に達しているのは竹田と同じ熊本県出身の不動ただ1人。2003年に成し遂げた女子ツアー唯一の大記録である。このシーズン、不動は出場が24試合だったから勝率は驚異の42%。圧倒的な強さだった。

 勢いのある竹田といえどもさすがに10勝はハードルが高いが、6勝、7勝あたりは現実的な数字として考えられる。この先、どこまで勝利数を伸ばすのかに注目したい。

トップ10は14回と年間女王に向け安定感抜群な竹田麗央

 そして、気になるのは年間女王の行方だ。竹田はこの優勝で200ポイント加えて計2000ポイントを突破。「ゴルフ5レディス」を欠場していたメルセデス・ランキング2位山下との差を306.61ポイントに広げた。

 だが、まだ安心できる差ではない。優勝回数では2位川崎春花に「2差」をつけているが、公式競技なら優勝400ポイントだから1試合で立場が入れ替わることもある。これからし烈な争いが待っているわけだ。

 一つ、竹田にとってポジティブなデータを紹介すると、ほかにシーズン5勝に達する選手が出なければかなり高い確率で年間女王を手にできる。これまで5勝が1人だけ出たシーズンは23回あるのだが、うち21回はその選手が年間女王(2022年より前は賞金女王)に輝いているのだ。

 当たり前のデータだといわれればそうかもしれないが、年間女王を手にするためには優勝回数だけでなく優勝できなかった試合でも上位に入ってポイント(以前は賞金)を積み重ねる安定感が必要。だから、波の大きいタイプの選手は難しくなる。

 その点、竹田は予選落ちが2回しかなく、トップ10は14回で単独1位と若いながら抜群の安定感を有しているから安心だ。

 今週の「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」をはじめビッグトーナメントが目白押しの女子ツアー秋の陣。竹田の進撃を中心に、目が離せない展開が続きそうだ。

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