3試合で「メジャーのトップ10フィニッシュ回数」が過去最多に! 歴代最多は岡本綾子だが2位は誰?

女子メジャー今季第3戦「KPMG全米女子プロ」では2位タイに山下美夢有、7位タイに渋野日向子と西郷真央の3人が見事トップ10フィニッシュを果たした。これで、過去最多だった23年の6回を上回った。

岡本綾子は21回、宮里藍は10回のトップ10入り

 女子メジャー今季第3戦「KPMG全米女子プロ」には12人の日本人選手が出場し、山下美夢有が2位タイ、渋野日向子と西郷真央が7位タイと3人がトップ10に入った。これで日本女子選手のメジャー通算トップ10数が99回となり、100の大台に王手をかけた。

 またしても日本勢がメジャーで躍動した。2位タイで自身初のメジャー最終日最終組をプレーした山下はスコアを1つ落としたが最終ホールのバーディーで2位タイの座を死守。最終日に全選手の中でただ1人の60台となる67を叩き出した西郷、前半苦戦しながらも立て直した渋野がともに7位タイで大会を終えた。

最終日に唯一の60台をマーク、見事トップ10入りを果たした西郷真央 写真:Getty Images

最終日に唯一の60台をマーク、見事トップ10入りを果たした西郷真央 写真:Getty Images

 トップ10に日本勢3人は大会史上初めてのこと。笹生優花、渋野のワン・ツーフィニッシュをはじめ5人をトップ10に送り込んだ「全米女子オープン」に続いて日本人選手の層の厚さを見せつけた。

「シェブロン選手権」9位タイの勝みなみを含め、メジャーにおける今年の日本勢トップ10は計9回となり、まだ3試合消化時ながら昨年の6回を更新する年間最多を記録。そして、通算のトップ10が99回に達した。

 日本人選手が初めてメジャーに参戦したのは1970年「全米女子プロ」のこと。樋口久子と佐々木マサ子がプレーし、樋口が19位タイに入っている。

 翌1971年の同大会で樋口が10位タイに食い込んで初めてのトップ10を記録。樋口はその後、「全米女子プロ」で1973、75、76年にもトップ10に入り、1977年の同大会で日本人選手初のメジャー制覇を成し遂げた。

 最も多くトップ10に入ったのは岡本綾子で21回である。1986年の「全米女子プロ」から1987年「全米女子オープン」までは実に7試合連続でトップ10を記録。内訳は2位と3位(ともにタイを含む)が3回ずつで5位タイが1回。当時は毎試合のように優勝争いを繰り広げたが、ついにメジャータイトルには届かなかった。

 歴代2位は宮里藍で10回、歴代3位が畑岡奈紗の9回と続き、トップ10経験者は計25人にのぼる。

 最年少でのトップ10は2018年「全米女子オープン」で10位タイに入った時の畑岡で19歳141日、最年長は岡本で1993年「全米女子オープン」7位タイの時が42歳114日だった。

「16試合連続トップ10入りなし」を止めた宮里藍

 岡本の全盛期、日本のゴルフファンは毎回のようにメジャー制覇の期待を抱いてテレビ観戦していたことだろう。しかし、1990年代半ばから10年ほどの間、日本勢の存在感は薄れていた。2002年の「全米女子プロ」から2006年「クラフト・ナビスコ選手権」までの16試合は誰1人としてトップ10に入れなかったという時期もあったほどだ。

 2006年の「全米女子プロ」で3位タイに入って日本勢の連続トップ10なしを止めたのは当時20歳の宮里藍だった。ここからは毎年、誰かがトップ10に入ることが継続されている。

 そして2019年、渋野が「全英女子オープン」で樋口以来42年ぶりのメジャー制覇を成し遂げたことで勢いがつく。2021年「全米女子オープン」では笹生と畑岡がプレーオフを争い、2022年には年間トップ10が歴代最多タイの5回あり、2023年には記録更新の6回、今年が2試合を残してすでに9回と勢いは増すばかりだ。

 次のメジャーは7月11日開幕の「アムンディ・エビアン選手権」。2013年にメジャー昇格してからは日本人選手の優勝はないが、それ以前は小林浩美が1勝(欧州女子ツアー単独開催の時代)、宮里藍が2勝しており、相性は悪くないはず。優勝で日本勢通算100回のメジャートップ10に花を添えられれば最高だ。

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