古江彩佳が達成した「4戦連続トップ10」は過去6人! 2人しかいない5戦連続を達成した日本選手は誰と誰?

未勝利ながら米女子ポイントランキングで3位につけるなど、五輪イヤーの今季も好調を維持している古江彩佳。「KPMG全米女子プロ」でもトップ10フィニッシュを達成すれば、日本選手では過去2人しかいない5戦連続ということになる。

5戦連続トップ10経験者は岡本綾子と宮里藍だけ

「メイヤーLPGAクラシック」で8位タイに入った古江彩佳が米女子ツアーで自身初の4試合連続トップ10を記録した。今週の「KPMG全米女子プロ」でもトップ10に食い込めば日本人選手は過去2人しか達成していない5試合連続に到達。同時に、念願の五輪代表の座を引き寄せることになる。

 古江らしく粘り強くスコアをつくりあげた4日間だった。初日を2アンダー「70」の33位タイで出た「メイヤーLPGAクラシック」。2日目は「68」で16位タイに順位を上げ、3日目は苦戦しながらも18番パー5でイーグルを決めて「70」でフィニッシュ。19位タイで最終日に入った。

圧倒的な安定感で上位フィニッシュを重ねる古江彩佳 写真:Getty Images

圧倒的な安定感で上位フィニッシュを重ねる古江彩佳 写真:Getty Images

 そして最後の18ホールはパー3を除く13ホール中5ホールでフェアウェイを外すという古江にしては荒れ気味のティーショットを2打目以降でカバーして4バーディー、ボギーなしの「68」をマーク。通算12アンダー、8位タイで戦い終えた。

 これで古江は「みずほアメリカズオープン」(7位タイ)、「全米女子オープン」(6位タイ)、「ショップライトLPGAクラシック」(2位タイ)に続き、4試合連続でトップ10入り。自身初、日本人選手では樋口久子、岡本綾子、小林浩美、宮里藍、宮里美香、畑岡奈紗に次ぐ7人目の記録となった。

 今年で米女子ツアー参戦3年目を迎えた古江は、毎年着実にレベルアップしている。シード権などの基準になるCMEポイントランキングは1年目が17位、2年目が10位で今年は未勝利ながら3位につけているのがその証明だ。

 進化を示すデータはそれだけではない。実力を測る重要な部門である平均ストロークは21位、16位ときて今年は3位。最高の栄誉であるプレーヤー・オブ・ザ・イヤーのランキングは1年目20位、2年目16位、今年が4位という具合に、さまざまな部門で右肩上がり。メジャータイトルを持っている渋野日向子や笹生優花のようなでっかい看板はまだないが、存在感は年々増している。

 今年のトップ10回数は計8回となり、並んでいたネリー・コルダ(米国)を抑えて単独1位に立った。これも、いかに古江が安定して上位でプレーしているかを示すデータである。

畑岡奈紗&山下美夢有との激しい五輪出場争い

 今週の「KPMG全米女子プロ」でもトップ10に入れば日本人選手では過去に岡本綾子宮里藍しか達成していない5試合連続トップ10だ。

 岡本は5試合以上連続を4回マークしており最長が1987年に達成した9試合連続。賞金女王に輝いた年である。宮里は1回だけだが、記録は7試合連続。米女子ツアー初勝利を挙げた2009年にマークした。

 日本人選手唯一の賞金女王経験者の岡本と、同じく唯一の世界ランキング1位経験者の宮里しか到達していない領域に足を踏み入れることは、単に記録面だけでなく五輪代表に直結するという大きな意味も持つ。「KPMG全米女子プロ」終了時の世界ランキング(正確には世界ランキングをベースにした五輪ランキング)で五輪代表が決まるからだ。

 日本代表の座は現在世界ランキング6位の笹生優花は当確で、古江は日本勢2番手の20位につけている。この日本勢2番手の位置を守れば代表決定だが、小差で畑岡奈紗や山下美夢有が追っており、予断を許さない状況である。

 3年前、東京五輪代表の座をかけた争いにも古江は加わっていた。畑岡、稲見萌寧に次ぐ日本勢3番手で迎えた“最終戦”の「アース・モンダミンカップ」で稲見が予選落ち。勝てば逆転代表入りが濃厚となる中で11位タイに終わって悔し涙を流した。

 今回は日本ではなく米国で“その時”を待つ。自らが上位でフィニッシュすればするほど、五輪代表の座が近づいてくる。3年前に逃した夢をつかむためにも、5試合連続トップ10入りは譲れない。

古江 彩佳(ふるえ・あやか)

2000年生まれ、兵庫出身。19年「富士通レディース」でツアー史上7人目のアマ優勝を達成してプロ転向。20年にプロ初勝利を飾り、20-21シーズンはトータル6勝で賞金ランキング2位と躍進した。22年からは米女子ツアーを主戦場にして22年に同ツアー初優勝。同年は国内ツアーでも「富士通レディース」で連覇と大会3勝目を挙げた。日本8勝、米国1勝。

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