人気の“電車ゴルフ”に思わぬワナ!? 最寄り駅からの移動にタクシーを選択する際に気をつけたいこととは?

運転免許証を返納したシニアゴルファーや、ラウンド後に飲酒を楽しみたいゴルファーを中心に人気が高まっている「電車ゴルフ」。しかし、最近はクラブバスを運行していないゴルフ場も多く、タクシー利用も考えなくてはいけません。

駅前のタクシー乗り場にタクシーがいなかった

 先日あるゴルファーから電車ゴルフの大失敗エピソードを聞きました。その方はゴルフの後に懇親会でお酒を飲む機会が多いので、割と頻繁に電車でゴルフに行くそうです。

 お住まいは神奈川ですが、東京に近いエリアなので、電車ゴルフの際は千葉方面の電車の駅から近いゴルフ場に行くとのことでした。

 千葉方面の電車でのアクセスがいいゴルフ場ですと、クラブバスが30分に1本くらいのペースで運行されていたり、予約なしで乗車可能だったりします。

ゴルフ場の最寄り駅に到着しても、時間帯によってはタクシーが一台も待機していないこともある 写真:PIXTA

ゴルフ場の最寄り駅に到着しても、時間帯によってはタクシーが一台も待機していないこともある 写真:PIXTA

 スタート時間との兼ね合いでクラブバスの時間が中途半端なときは、タクシーに乗れば1000~1500円でコースに着けます。余分な出費ではありますが、駅前で20~25分くらい待つことを考えると、そんなに悪い出費ではありません。

 帰りはクラブバスを利用したり、同伴者の車で最寄り駅まで送ってもらったりすれば、タクシー代は片道だけで済みます。

 そのような感覚で電車ゴルフを楽しんでいたところ、仕事の都合で東北地方のゴルフ場に遠征した際、最寄り駅でタクシーがまったくつかまらず、スタート時間に大遅刻してしまったそうです。

 最寄り駅は東北新幹線の停車駅だったので、その方はタクシー乗り場にタクシーが1台もいないとは予想していませんでした。

 慌ててスマートフォンを取り出し、タクシー配車アプリで周辺のタクシーの走行状況を調べたところ、走行しているタクシーすら1台も見当たりません。結局、スマートフォンで地元のタクシー会社を検索し、電話をかけて配車を依頼しました。

 ようやくタクシーが到着し、「○○カントリークラブまでお願いします」と伝えたところ、今度は運転手さんがゴルフ場名を聞き間違えたらしく、20~30分後に似た名前のゴルフ場に到着しました。その方は土地勘がありませんから、道中はまったく気づきません。

「あれっ、ここじゃないよね?」ということになり、その時点で料金メーターを止めてもらって本来の目的地に向かいましたが、名前が似ているからといって近くにあるわけではありません。1時間以上のタイムロスが発生し、後半のハーフから合流することしかできませんでした。

電車ゴルフはクラブバスを利用するのが安心

 筆者も年に何回か電車ゴルフに行きますが、最寄り駅からタクシーという選択肢はとてもリスクが高い時代になってきたと感じます。

 2020年の新型コロナウイルスの流行によってタクシーの利用者が極端に減少しました。収入減に直面したタクシードライバーが高齢者を中心に辞めるケースが相次ぎ、東京都内はタクシーの台数が明らかに減りました。

 そのほかの都道府県でも同じような動きが起こったと聞いています。また、地方都市では乗務員を乗合タクシーの運行に従事させる動きも加速しています。

 そうなってくると、駅待ちのタクシーの台数はさらに少なくなります。そもそもゴルフのスタート時間は朝早いですから、ゴルフ場の最寄り駅に到着するのは6~7時台です。この時間帯にタクシーに乗る人はそれほど多くありません。

 しかもゴルフ場は電車ゴルファーの増加に対応するためクラブバスの運行を再開したり、バスの本数を増やしたりしています。どうせ電車で来ても全員クラブバスに乗るなら、タクシーはなおさら駅待ちをするメリットがありません。

 さらに近年はタクシー乗り場に何台か停まっている駅でも、雨が降ったりすると利用者が増えるのでたちまちタクシーがいなくなります。

 ゴルファーの高齢化と若年層の参加によって今後ますます電車ゴルファーが増加すると思いますが、最寄り駅からタクシーという選択肢はスタート時間に間に合わなくなるリスクと隣り合わせであることは認識しておいたほうがいいかもしれません。

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