身長が高くない選手もゴルフツアーでは活躍してるけど… 小柄な人が力を入れるべき練習方法ってあるの?

スポーツでは身長が高いと有利に働くことが多いですが、ゴルフにも同じことがいえるのでしょうか。

高い方が有利なのは間違いないけれど…

 バスケットボールやバレーボールなど、ゴールや障害物が高いところにある競技では、高身長が有利なのは間違いありません。しかし、サッカーや野球などの世界では、それほど大柄でなくとも活躍している選手はたくさんいます。

西村優菜は150センチと小柄だが、米女子ツアーで活躍中 写真:Getty Images

西村優菜は150センチと小柄だが、米女子ツアーで活躍中 写真:Getty Images

 ゴルフ界に目を向けると、女子では150センチの西村優菜選手、男子では158センチの比嘉一貴選手など、身長があまり高くない選手も数多く活躍していることが分かります。

 高身長はゴルフにおいて有利に働くのでしょうか。現役のシニアツアープロでゴルフスクールを経営している梶川武志氏は以下のように話します。

「飛距離に関しては、身長が高いと間違いなく有利に働きます。クラブのスイングは体を軸に回転させますが、身長が高い人の方が腕が長いのでスイングアークが大きくなります。遠心力が働くのでヘッドスピードが速くなります。また、身長が低いとクラブはどうしても横振りになりますが、高いと縦振りができるようになり、飛距離に良い影響があります。つまり、身長が高い方が飛距離を伸ばすための条件を満たしやすいのです」

「また、アイアンはダウンブローに打つのが基本ですが、身長の高い人は縦振りになるので無理なく基本の打ち方ができます。同じ長さのクラブを使った場合、高身長の人は相対的にクラブが短くなるので、扱いが簡単になってきます。つまり、クラブのコントロールが容易になるのです」

 ちなみに、日本プロゴルフ協会のプロフィールでは梶川氏も167センチと紹介されていて、決して身長が高い方ではありません。

高身長でなくとも強みは作れる

 大柄な人が飛距離やクラブの扱いやすさで有利なことは分かりましたが、小柄なプロでも活躍できるのはなぜなのでしょうか。梶川氏は次のように話します。

「飛距離はヘッドスピードだけが要因ではなく、ミート率も重要なポイントです。ミート率は身長とはあまり関係ないので、これを高める練習をすれば、ある程度は飛距離を出せるようになります」

「また、ゴルフは飛距離だけを求めるスポーツではありません。どれだけ正確なショットを打てるか、アプローチのような小技がうまいか、パッティングの距離感や方向性を正しくできるかなど、身長に影響を受けないファクターがたくさんあります」

「つまり身長が高くなくても、これらの要素を向上させていけばゴルフは格段に上達できるのです。私は、ゴルフは運動神経があまり良くなくても上達できるスポーツの一つだと考えています。身長やもともと持っている運動神経は変えることができませんが、ゴルフはこれらに影響を受けない部分がたくさんあるため、歳をとってもできるスポーツとして人気を博しているのだと思っています」

 長身でドライバーが飛ぶ人を見ると憧れますが、ゴルフには身長に影響を受けない要素も多くあるので、それらを磨くことで飛距離をアップさせたり、スコアアップを目指しましょう。

ジャンルで探す