古江彩佳が大まくり「60」に屈して惜敗2位 渋野日向子は「復調は本物」を印象づけるプレーぶり【米女子ゴルフ】

米女子ツアー「ショップライトLPGAクラシック」最終日、古江彩佳(ふるえ・あやか)は6バーディー、ノーボギーの好プレーを見せたが、52位タイから出たリニア・ストロムが「60」のビッグスコアを叩き出し、1打及ばずの2位タイに終わった。

「ポアナで初めて3日間うまくプレーできた」

◆米国女子プロゴルフ<ショップライトLPGAクラシック by Acer 6月7~9日 シービュー ベイコース(ニュージャージー州) 6190ヤード・パー71>

 古江彩佳がツアー2勝目をあと一歩のところで逃した。

 米女子ツアーでは数少ない3日間大会の「ショップライトLPGAクラシック」最終日(現地時間9日)。古江は首位に3打差7位タイからの逆転優勝を狙った。

2位タイで惜敗した古江彩佳と好調を維持する渋野日向子(渋野の写真は全米女子オープン) 写真:Getty Images

2位タイで惜敗した古江彩佳と好調を維持する渋野日向子(渋野の写真は全米女子オープン) 写真:Getty Images

 通算7アンダーで最終組の3組前。同組の西郷真央と同じ蛍光イエローのトップスをまとった古江は、いつものように淡々とプレーした。風が強くなる中、1番でピン上80センチにピタリとつけるバーディー発進。積極的に攻めて3番、4番、7番とバーディーを重ねていく。パー5の9番でも2メートルの厳しいスライスラインを沈めて通算12アンダー。優勝争いの渦中でプレーを続けた。

 古江を含めた上位陣がスタート直後から強風と戦うのを尻目に、早いスタートでビッグスコアを叩き出したのが3アンダー52位タイでスタートしたリニア・ストロム(スウェーデン)だ。1イーグル、9バーディーの60で回り通算14アンダー。最終組の3時間40分前にスタートし、クラブハウスリーダーとして待つ中で優勝争いが繰り広げられた。

 古江はバックナインに入るとガマンの時間が続く。13番のバーディーでストロムに1打差に迫るが、その後はスコアが伸ばせない。バーディー必須となった18番パー5では右ラフから渾身の2打目がグリーンオーバー。3打目も寄せきれず、パー止まりで2位タイに終わった。

 それでもホールアウト後には笑顔を見せた。「昨日まで前半あまりバーディーが取れなかったので、そこはよくできました。ホントに3日間の中で風が強い中、考えながらプレーできました」と手応えは十分。「後半、風が吹いたり、なくなったりする中、追いつけなかった。でもポアナ(芝のグリーン)で初めて3日間うまくプレーできたのでうれしいです」と、今後への自信をのぞかせた。

 2022年トラストゴルフ・女子スコティッシュオープンの初優勝から2年弱。今季はこれで13試合中7試合でトップ10入りしている。この抜群の安定度で、待望のツアー2勝目まであと少しだ。

 古江とともにメーガン・カン(米)がストロムを追ったが、やはり1打及ばず。最終組の3時間40分前にプレーを終えたストロムが、大逆転で初優勝を飾っている。

 日本勢は8人が出場しており、西郷真央がパットに苦しんでこの日イーブンパー。通算7アンダー21位タイ。5バーディー、3ボギーの渋野日向子、1イーグル、3バーディー、1ダブルボギーの西村優菜も同じ21位タイで大会を終えている。

 渋野は先週の全米女子オープン2位で取り戻した笑顔でのプレーを続けている。「ショットも最後は疲れてしまって荒れてはいましたけど、グリーン上がもったいないですね」と振り返った。それでも、自身の復調を実感しているのが伝わってくる。さらなる結果を求める戦いは続く。

 全米女子オープンで21年に続く2勝目を挙げた笹生優花勝みなみ、吉田優利の3人は予選落ちしている。悔しい思いをしたのは畑岡奈紗だ。6アンダー4位タイと好発進してツアー7勝目を狙っていたが、第2ラウンドスタート前に前日最終ホールのプレー(2打目のボール探しに既定の3分以上かかっていたのにロストボール扱いにしなかった)についての指摘を受け、映像確認の末、失格となった。

 パリ五輪代表決定まであと2週。しかも最後の1戦はメジャー(KPMG全米女子プロ)という状況下、日米両ツアーで熾烈な代表争いも続いている。

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