ビギナーの9割はグリップとアドレスでつまずく!? ゴルフがなかなか上達しない人の特徴とは?

大人になってからゴルフを始めると、誰もが「違和感のある窮屈なグリップ」や「上半身を折り曲げる前傾姿勢」でつまずきがちです。序盤でつまずく人に共通する特徴はあるのでしょうか。

ゴルフの上達には体の柔軟性が必要不可欠

 筆者が現在通っているゴルフスクールは2023年秋にオープンした新しい施設で、生徒さんもゴルフを始めたばかりの人が大半です。そのレッスン風景を見ていると、「ゴルフというスポーツはやっぱり難しいな」と感じます。

 スクールではレッスンに通い始めてから3カ月でラウンドデビューできるカリキュラムを用意しています。最初のレッスンでグリップとアドレスを教え、7番アイアンで時計盤の8時から4時の振り幅のスイングでボールを打つのですが、この時点でだいたいの人がつまずきます。

誰もが最初につまずく「違和感のあるグリップ」。慣れるまでの時間にも個人差がある 写真:AC

誰もが最初につまずく「違和感のあるグリップ」。慣れるまでの時間にも個人差がある 写真:AC

 どこでつまずいているのか観察していると、グリップ3割、アドレス6割、スイング1割といった具合です。スイングに入る前にエラーが発生しています。

 グリップのエラーは左手と右手の向きです。多くの人は右利きですから、右腕の力でクラブを振ろうとします。ですから右腕で振りやすいようにクラブを握ります。

 でも、「その持ち方だとボールが真っすぐ飛ばないんですよ」とコーチから諭され、左手と右手の向きを修正されます。その握り方が自分の思い描いていたよりも窮屈なため、違和感を覚えるようです。

 アドレスのエラーは股関節から体を折り曲げて前傾姿勢を作ることです。これができなくて「それだと棒立ちです。上半身をもっと前傾してください」とか「肩だけが前に出ています。股関節のツケ根から折り曲げてください」と指摘されている人が大勢います。

 正しい前傾姿勢が作れるかどうかは普段の姿勢が大きく関わっています。普段から正しい姿勢で立ったり歩いたりしている人は、比較的スムーズに股関節から体を折り曲げて前傾姿勢を作ることができます。

 普段の姿勢が乱れている人は、正しいアドレスの姿勢を作るのにかなり苦戦します。なので、スクールでは正しいアドレスの姿勢が早く作れるように、スイングストレッチを日常的に行なうことを勧めています。

 ゴルフの上達には体の柔軟性が必要不可欠です。スコアの良し悪しは別にして、女性のほうがキレイなスイングが身につきやすいのは、柔軟性が高い人が多いからでしょう。

正しい技術を身につけるには正しい姿勢がマスト

 ゴルフは老若男女が楽しめるスポーツですが、若いうちに始めた人と年を取ってから始めた人では正しいスイングを習得するまでの所要時間がだいぶ違うかもしれません。

 スクールでは1コマ50分のレッスンを12回受けるとラウンドデビューに必要な最低限の技術が身につくようにカリキュラムを組んでいます。週1回のペースで通うと月4回、3カ月で12回という計算になります。

 でも、前回習ったことを忘れてしまい、レッスン時間のほとんどを復習に費やしている人もいますから、すべての人が3カ月でラウンドデビューしているかどうかは定かではありません。

 いろんな人のレッスン風景を見ていて感じるのは、スイングストレッチを日常的に行なっていると思われる人は新しい技術を着実に習得していきます。ストレッチをしていない人はアドレスの姿勢がなかなか改善されず、スイングの動きもぎこちないまま月日が過ぎていきます。

 筆者がゴルフを始めたのは25歳のときですが、もったいないことにそのときは正しいスイングを身につける意欲がありませんでした。テークバックで右サイドにスエーし、インパクトで左サイドに体重移動しながらフェースをボールにぶつける自己流スイングで長年過ごしてきました。

 43歳のときに一念発起し、正しいスイングを身につけようとゴルフスクールに通い始めたのですが、開口一番にいわれたのが「体が硬いですね」でした。

 この体の硬さを解消するために整骨院やストレッチ専門店に通ったりしましたが、結局のところ一番効果が高かったのは自重ストレッチでした。

 体の硬さがほぐれてきたことで、スクールのコーチのアドバイスがようやく理解できるようになってきました。

 実は正しいスイングを身につけるのに効果的なのはボールを打つ練習よりもスイングストレッチなのですが、ストレッチは地味で体がキツイので長続きしない人が多いです。それをうまくエスコートしながらビギナーを上達に導くのがゴルフスクール事業の腕の見せどころなのだろうと思います。

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