ピーク時は100人以上も今は… 減少し続けるゴルフ場従業員の人数はどれくらい? 働くメリットとは?
キャディー付きプレーの減少やインターネット予約の普及などで、ゴルフ場従業員の数は年々減少しているそうです。
以前は18ホールで100人以上いたが今は40人弱
このところゴルフ場関係者と話をするたびに人手不足の話題になります。ゴルフ場の近くに住んでいる若者が少なくなり、求人募集を出しても希望者がほとんど集まらないそうです。シルバー人材センターの紹介で何とか働き手を確保しているとのこと。
ただ、ゴルフ場業界を20年以上見てきて思うのは、ゴルフ場が生き残るためにキャディーつき営業をやめてセルフプレー化を推進し、少人数で効率よく業務を回せるようにシフトチェンジしたことで、地元の雇用が減った若者たちが都市部に出て働かなければならなくなった気もします。
ゴルフ場で働いているスタッフの人数はどれくらいいるのでしょうか。昔と比べてどれぐらい減ったのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「ウチのゴルフ場は1988年(昭和63年)開場ですが、開場当初はキャディーつき営業でしたので、キャディーが50人以上いました」
「それ以外にもクラブハウスのフロントと事務所に10人くらい、レストランの厨房に8人とホールに20人ぐらい、コース管理に16人くらい、マスター室とリネン室にもスタッフがいましたから、総勢100人以上の大所帯でした」
「それが今はマスター室とキャディーを含めて8人、フロントと事務所を含めて5人、レストランの厨房とホールを含めて9人、コース管理が8人、リネン室が8人で、総勢38人です。36年前と比べてスタッフの数は半分以下になりました」
「一番大きな要因は乗用カートを利用したセルフプレーが主体となり、キャディーが大幅に減ったことです」
「また、以前は予約の電話を紙台帳で記録していましたが、今はパソコンに入力しますし、電話予約の割合が6~7割に下がり、インターネット予約が3~4割になりました。インターネット予約は自動的に基幹システムの中に入ってきますから、事務所のスタッフは以前より少なくても大丈夫になりました」
若者が職場としてゴルフ場に目を向ける工夫が必要
新型コロナウイルスの世界的流行を機に、ゴルフは密を避けて楽しめる屋外スポーツとして注目を集め、新たに始める若者が増えました。その流れはアフターコロナの時代になっても続いています。
それなのにゴルフ場で働く若者が増えないのは次のような理由があります。
「ゴルフ場のスタッフはお客様が来る前に出勤しなければなりませんから、朝早いんですね。昔みたいにオープンからラストまで働くようなことはありませんが、早番、中番、遅番のシフト制ですから不規則です」
「それとゴルフ場は土日祝が稼ぎどきですから、やっぱり土日祝は休みづらい風潮はあります。同年代の友人が土日休みの仕事をしていると、休みが合いませんから一緒に遊びに行くことができません」
「さらにコース管理の仕事は朝早いことに加え、『キツイ』『汚い』『危険』が3つそろった3K労働です。若い子が入ってきても長続きしないのが悩みの種です」
これらの問題を解決するには賃金を上げるか待遇を改善するしかありませんが、ゴルフ場は集客が順調といえども潤沢な資金があるわけではありません。
ただ、ゴルフ場を遊び場所として面白いと感じている若者が増えているということは、わずかな工夫で人手不足を解消する方法もありそうです。
ゴルフ場関係者によると、ほとんどのゴルフ場で勤務後のラウンドや休日のラウンドに従業員割引が適用されます。
ゴルフは面白いけど、プレー料金が高くてなかなかラウンドできないという人は、ゴルフ場で働けば休みの日に安くプレーできます。
都市部に近いゴルフ場では、プロゴルファーを目指す若い子たちが練習環境を求めてゴルフ場で働くケースが増えていますが、別にプロを目指さなくても遊び場所を求めてゴルフ場で働くという選択肢もあります。
そういったメリットを全面的に打ち出せば、ゴルフ場で働きたいと考える若者が一気に増える可能性もありそうです。
04/25 09:10
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