最近のアマチュアは左へのミスが多い!? 心当たりがあるゴルファーが確認すべきポイントとは?

アマチュアゴルファー、特に初中級者のミスショットといえば、スライスなど右へのミスが多いと一般に考えられがちです。しかし、日々の練習場でアマチュアゴルファーを指導しているJLPGAティーチングプロの岡本恵氏によると、最近は左へのミスが目立ってきているそうです。その原因はクラブにあります。

目標方向に構えているはずなのにフェースが左を向いている

 JLPGAティーチングプロの岡本恵氏によると、左へのミスがアマチュアゴルファーの間で増えているといいます。この現象の背景には何があるのでしょうか? 岡本プロが原因と対処法を説明します。

フェースが左を向きやすいクラブが増えている!? 写真:AC

フェースが左を向きやすいクラブが増えている!? 写真:AC

※ ※ ※

 最近のクラブは、目標方向に構えているように見えても、フェースが左を向いてしまうものが多いのです。これは、右へミスするアマチュアゴルファーが多いため、そのミスをクラブで補正できるように、見た目では目標方向を向いていても実際にはフェースを左に向くような設計になっているクラブが多くなっているからです。

 このようなクラブは右にミスするゴルファーにとっては直進性が向上しますが、正しいスイングを身につけているゴルファーにとっては、最初からフェースが左を向いているために、ボールが左へ飛んでしまいます。さらにそこから遠心力も働いて、トゥ側が閉じる現象も加わると、大きく左に引っかかる弾道になってしまいます。

 多くのゴルファーは、左へのミスをスイングの問題だと思いがちですが、実際にはフェースの向きが主な原因であることが多いのです。左へのミスが出始めたら、まずはフェースの向きをチェックしましょう。体の使い方やクラブの扱いが上達しても、フェースが左を向いていれば、ボールは左へ飛びます。

 フェースが左を向いている状態から真っすぐ飛ぶようになっても、それはスイングが間違っていることを意味します。また、フェースが左を向いた状態から目標方向に飛んだとしても、ボールはフック回転になります。フック回転のボールは飛距離が出るものの、グリーン上で止まりにくく、スコアメイクが困難になります。

 正確なショットとスコアアップのためには、フェースを目標方向に向けて構えることが何よりも重要です。

クラブフェースの向きのチェック方法

 アマチュアの方の指導をする際、私はマグネット付きの棒をフェースに付けて、構えた時のフェースの向きを確認してもらいます。目標方向を示すために、スティック棒を置くこともおすすめです。

 クラブの種類や番手によってもフェースの向きは異なりますので、定期的にチェックすることが大切です。マグネット付きの棒がなくても、ティーやその他の目印をフェースに付けて向きを確認する方法もあります。キャビティバッグのアイアンの多くはフェースが左を向いていると思います。

 フェースの向きをチェックすると、正しく目標方向を向いているのに「これは右向きでは?」と感じる方が本当に多いです。これはフェースが左を向いている状態に慣れてしまってからだと思われます。ぜひ、皆さんもチェックをしてみてください。

 常に左に向かないようにするには、指示棒などで確認した真っすぐな状態でフェースがどう見えるのか、見た目をしっかり覚えることです。左を向いているクラブのフェースを目標方向に合わせようとすると、先側を少し右に逃がすように開いて構えることでフェースを目標方向に合わせることになります。

 クラブのフェースの向きは、最近多くのアマチュアゴルファーが直面している左へのミスの大きな原因の一つです。正しいフェースの向きを理解し、必要に応じて調整することで、より正確なショットを打つことが可能になります。

【解説】岡本恵

ツアー参戦経験もあるJLPGAティーチングプロの岡本恵氏

ツアー参戦経験もあるJLPGAティーチングプロの岡本恵氏

JLPGAティーチングプロ。ステップ・アップ・ツアー、アジアンツアーに参戦後、2009年よりティーチングプロとしてゴルフ練習場にて一般ゴルファーを指導。約15年の間に指導したアマチュアゴルファーは1000人以上。マナーやエチケットを守りつつも、楽しくゴルフしていただくのがモットー。現在は名古屋市の竜泉寺ゴルフ場にて指導を行なっている。

ジャンルで探す