“マイクロ・タイソン”元日本ミニマム級王者の石澤開氏が引退式…29日のプロボクシング後楽園ホール興行

29日の興行で引退式に臨む元日本ミニマム級王者・石澤開氏

◆プロボクシング ▽スーパーフェザー級(58・9キロ以下)8回戦 神足茂利―浜田力(29日、東京・後楽園ホール)

 29日に後楽園ホールで行われるプロボクシング興行で、元日本ミニマム級(47・6キロ以下)王者で“マイクロ・タイソン”の異名を取った石澤開(いしざわ・かい)氏の引退式が行われる。第6試合終了後、リングに上がり、10カウントゴングを聞く。

 今月23日に、28歳になったばかりの石澤氏は神奈川・相模原市出身。小、中ではサッカーと空手に励み、中2から本格的にボクシングを始めた。武相高―日体大と進み、アマ戦績は28勝14敗。2017年6月にプロデビュー。18年11月、井上夕雅(尼崎亀谷)に6回TKO勝ちして日本ユース同級王座を獲得。22年1月には森且貴(大橋)との日本同級王座決定戦を8回TKOで制し、日本王者になると、3か月後には当時WBO世界同級王者・谷口将隆(ワタナベ)に挑戦。だが、前日計量で体重超過し、試合も11回TKO負けした。その後、再起したものの、外国人選手に連敗。今年4月、レジー・スガノフ(フィリピン)に8回TKO負けしたフィリピンでの試合を最後に現役引退を決めた。身長156センチの右ボクサーファイターで、強烈なパンチ力から、“マイクロ・タイソン”のニックネームがつけられていた。戦績は11勝(10KO)4敗。

 9月、相模原市の本村賢太郎市長に現役引退を報告した際の囲み取材では「ベルトを手にして勝ちが形になったことがうれしかった。日本チャンピオンになって初めてプロボクサーと言えるようになった」と話していた石澤氏。今後については現在、英語の勉強をしており、海外留学も計画していることを明かしていた。

 また、日本プロボクシング協会(JPBA)はこの日の興行に、1966年に静岡・清水市(現・静岡市)で一家4人が殺害された事件で再審無罪が確定した元プロボクサーの袴田巌さん(88)を、姉・ひで子さん(91)とともに招待すると発表している。来場は袴田さんの体調次第となるが、来場すれば、WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)王者・中谷潤人(M・T)と一緒にリングに登壇する予定だという。

 興行メインイベントはスーパーフェザー級のノンタイトル8回戦。石澤氏と同い年の日本同級5位・神足(こうたり)茂利(M・T)が、浜田力(DANGAN)と再起戦を闘う。

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