【ジャパンC】英国の名手ビュイック騎手が熱い思いを語る 昨年の菊花賞馬ドゥレッツァに「もちろん勝ちたい」

ウィリアム・ビュイック騎手

 第44回ジャパンC・G1(11月24日、東京)で、ウィリアム・ビュイック騎手=英国=はドゥレッツァとの初コンビで挑む。JCには5回騎乗し、13年トーセンジョーダン、23年スターズオンアースで3着。日本からはドウデュース、海外からもオーギュストロダンなどが出走する頂上決戦に向け、熱い思いを語った。11月21日、枠順が確定した。

 「お久しぶりです。短期免許の期間は(2週間で)短いですが、よろしくお願いします。ジャパンCでドゥレッツァに乗れると聞いたときは、うれしかったです。JCは世界有数の大きなレースで、もちろん勝ちたいです。彼のレースは全て見て把握しています。(昨年の菊花賞を勝っていて)京都でいい競馬をしていました。(前走の英インターナショナルSで5着)イギリスの2050メートルは少し距離が短いかなと思っていました。全体のペースがゆったりめだったので、彼には最高の展開ではなかったと思います」

 この日、6枠10番に決定した。1990年に豪州から参戦したベタールースンアップ(M・A・クラーク騎手)以来、勝っていない馬番だが、前向きにとらえている。

 「内、外の出方が見られるし、後入れの偶数番というのもいいですね。この枠順の並びで何が最適解かを考えたい。あとは当日、馬場がどうかもしっかり見たいです」

 スターズオンアースで挑んだ昨年は5番人気で3着。イクイノックスが注目を集めた一戦で3冠牝馬のリバティアイランド(2着)に続き、存在感を示した。今年は海外から英ダービーを含めG1を6勝のオーギュストロダン、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSの勝ち馬ゴリアット、バーデン大賞を制したファンタスティックムーンも参戦し、屈指の今年も好メンバーがそろった。

 「去年はイクイノックスという絶対王者がいて、それにみんながチャレンジするような構図だったが、今年のメンバーは海外からも実績のある馬が来て、高いレベルで実力伯仲の顔合わせだと思います。自分はドゥレッツァの実力を引き出せるよう、最大限の努力をするだけです」

 近年は日本調教馬の海外での活躍が当たり前のことになってきた。英国の名手は、日本競馬の進化をどのように感じているのか。

 「日本馬の海外での活躍が目立つのは、馬の質の向上と携わる方たちのスキルアップが起因。世界中の種牡馬、肌馬、幼駒に目を向けていて、とても熱心です。そして購買意欲も高い。単純に言うといい馬がたくさんいます。海外遠征という観点でいうと、遠征における知識と経験の蓄積が好循環を生んでいます。何より挑戦意欲や、高い向上心のたまもの。実行しないと何も起きません。そんなレベルの高い日本で素晴らしいレース、素晴らしい馬に乗れることを誇りに思います。(自分の)キャリアの中でもジャパンCを勝つというのは大きな目標。今回、もちろん勝ちたいと思っています」

 今年もブリーダーズCターフ、ドバイ・シーマクラシックをレベルスロマンスで勝つなどビッグレースで勝ってきた鞍上が、2018年のマイルCS(ステルヴィオ)以来のJRA・G1制覇へ。世界が注目する一戦で最高の騎乗を見せる。

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