【ジャパンC】ドウデュースは快勝した「天皇賞・秋以上の状態」と友道調教師が自信 武豊も「今年は力が入る」

武豊騎手(後方左から2人目)が見守るなか、併せ馬を行ったドウデュース(カメラ・高橋 由二)

◆第44回ジャパンカップ・G1(11月24日、東京競馬場・芝2400メートル)追い切り=11月20日、美浦トレセン

 第44回ジャパンC・G1(24日・東京)の追い切りが20日、行われた。外国馬3頭を含む強豪が争う頂上決戦で、日本の“大将格”となるドウデュースは、滋賀・栗東トレーニングセンターで万全の動きを披露。本紙評価は動き1位だ。管理する友道康夫調教師(61)=栗東=は、豪脚を見せつけて勝利した「天皇賞・秋以上」と自信を見せた。きょう21日に出走馬と枠順が決定する。

 どんな強敵でも、万全の出来で迎え撃つだけ。ドウデュースは栗東のDPコースで、ベトルス(3歳1勝クラス)を2馬身ほど追走した。前走の天皇賞・秋の最終追いは単走だったが、しっかりと併せ馬をしてきた。

 友道調教師の狙いは明確だった。「負荷をかけることなく、前に馬を置いて折り合うかどうかを確かめました」。決して速いペースではなかったが、気持ちがいいほど折り合っていた。コーナリングもスムーズで、直線で内に入ると楽なまま僚馬に馬体を重ね、1000メートル69秒1―200メートル11秒7で馬なりのままフィニッシュ。ゴール後にさっそうと走り抜けていく姿は、やはり日本のエースだ。「力むことなく走れていたので、良かったと思います」と指揮官も納得の表情を見せた。

 1週前の13日は、武豊を背にCWコースで1400メートル97秒8―200メートル10秒9をマーク。少し気合をつけただけで鋭伸した。その時点で仕上がっており、今週の確認作業も難なくクリアした。天皇賞・秋では強烈な決め手を駆使して差し切ったが、緩い流れだったため、少し行きたがっていたことも確かだ。ジャパンCも先行馬が少なく、折り合いがポイントになる。最終追いではその不安をしっかりと解消できた。

 体調面はさらに上がっている。まず、前走直後の火曜に引き運動をして、翌日にはもう乗り運動を開始。「ダメージは少なかったですね」と指揮官は恐るべきタフネスぶりに目を丸くした。いつ見かけても馬体はつやつやで、お尻から後肢にかけても、筋肉がパンパンに詰まっている。友道師は「これ以上ないと思ったけど、ワンランクアップした。天皇賞・秋以上の状態です」と隙のない仕上がりに自信を見せた。

 海外の強豪も参戦するが、日本の総大将としての自負がある。この秋限りで引退が決まっており、多くてもこのレースと有馬記念(12月22日・中山)が残されるのみで「秋3戦、連勝でいきたいと思います。日本でやる以上は、海外の馬に負けるわけにはいかない。(日本の)代表として頑張りたい」とトレーナー。俺以外に、一体誰が主役を演じるんだ? そんなドウデュースの声が聞こえた。(山下 優)

 ◆武豊に聞く 

 ―天皇賞・秋を振り返って。

 「ペースが遅くて心配したけど、最後の直線ですごい脚を使ってくれて、残り200メートルで勝てると思った」

 ―1週前追い切りに騎乗した感触は?

 「あれだけのレースをしたけど、ダメージはあまりなかったみたいで、乗った動きはものすごくよかったですね」

 ―勝てばジャパンC5勝目になる。

 「昨年はけがをして乗れず、1年前はこの場にもいられなかった。今年は力が入る」(23年10月に右太ももを負傷し、約1か月半騎乗できず。同年12月16日に復帰し、ドウデュースとのコンビで有馬記念を制した)

 ―意気込みは?

 「皆さんも期待している。その期待に応えたい。勝てるように頑張ります」

 ◆24年天皇賞・秋VTR 4枠7番からスタートしたドウデュースは、スローペースの中、4コーナーを13番手で通過。直線は大外に持ち出すと、レース史上最速となるラスト600メートル(上がり)32秒5で他馬を差し切った。上がり2位はジャスティンパレスなど2頭が33秒0で、0秒5上回る圧倒的な末脚だった。

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