【ジャパンC】今年は正真正銘の世界決戦 フリーライターの土屋真光氏が19年ぶり外国勢Vを狙う3頭に迫る

23年ブリーダーズCターフを制したムーアとオーギュストロダン(右)

◆第44回ジャパンカップ・G1(11月24日、東京競馬場・芝2400メートル)

 第44回ジャパンC・G1(24日、東京・芝2400メートル)に“世界決戦”にふさわしい外国勢3頭が参戦する。ディープインパクト産駒の最多G1勝利に挑むオーギュストロダン、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSで覚醒したゴリアット、硬い馬場を選択したファンタスティックムーン。フリーライターの土屋真光氏が19年ぶり外国勢Vを狙う3頭に迫った。

 オーギュストロダンは脚ためられないと良さ半減

 英愛米でマイル~2400メートルまでGI6勝は文句なしの実績ナンバーワン。バリードイル(愛国にあるクールモアグループの調教施設で欧州の重い馬場で実績を残す)調教ながら、渋った馬場で能力が発揮しきれないのは、やはりディープ産駒。8勝中3勝がこの距離も、5着以下の4回中3回もこの距離なのは気になるところ。道中、脚をためられないと良さが半減する傾向が強い。また、今年は5戦1勝で、前走の愛チャンピオンSもピークアウトを感じさせた。引退戦にここを選んだのも本気というよりは、クールモアの馬主獲得戦略の営業の一環での顔見世興行にも見えるのは邪推か。

 ゴリアット、日本のペースは合いそう

 ブルーストッキングと並ぶ、今年の代表的上がり馬。GIはキングジョージの1戦1勝のみで実績的には見劣りするものの、そのキングジョージでは凱旋門賞を勝つブルーストッキング、今回出走のオーギュストロダンなどを、硬い馬場で出色の勝ちタイムで楽に完封。ほぼこの距離を使われていて、一度出走した2000メートル戦は4着。スローからの上がり勝負よりも、ペースが流れての総合力勝負に向くタイプで、日本のペースは合いそう。秋初戦の前走も出来八分で着差以上の内容。セン馬のため選択肢が限られるとはいえBCには目もくれずの参戦は本気度が高い。

 ファンタスティックムーン、良馬場求めて本気の参戦!

 ドイツでG1を2勝、2着2回。ドイツ生産・調教馬としては珍しく、陣営が明言するほど渋った馬場は不得手。今年の凱旋門賞も馬場を嫌って当日出走取り下げという話もあったほど。逆に良馬場では3戦3勝。速い馬場で大きく負けたのは終始外を回って伸びあぐねた昨年の凱旋門賞のみ。加速度のあるタイプではなく、しっかり伸びるタイプで、今回も踏み遅れなければ面白い。距離レンジは広いが、現状では2200~2400メートルがベスト。バーデン大賞勝ちで他の2頭と同じく報奨金(ジャパンCを勝てば300万米ドル=約4億2420万円のボーナス)の権利もあり、良馬場を求めての参戦だけに本気度も高そう。

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