【ジャパンC】オーギュストロダン、父ディープインパクトのふるさとでラストラン 産駒最多タイG1・7勝目で有終飾る

参戦した外国馬でも屈指の実績を誇るオーギュストロダン

◆第44回ジャパンカップ・G1(11月24日、東京競馬場・芝2400メートル)

 やはり父のふるさとは水が合うのだろうか。オーギュストロダンは18日、東京競馬場のダートコースを速いキャンターで半周したのちゲート試験に合格。フットワークは軽快そのもので、ゲートが開いた瞬間に勢いよく飛び出す姿は迫力と自信に満ちあふれていた。キーティング助手も「ゲート試験もとても利口にこなしてくれた。我々としては大変満足している」と声を弾ませる。

 歴代でも屈指の実績馬だ。15戦してG1・6勝。「一国の宰相になるより難しい」とされる英ダービーや、米国の芝レース最高峰BCターフ(ともに23年)も含まれる。過去来日したジョンヘンリー(米国、G1・16勝)、トニービン(イタリア、G1・6勝)、モンジュー(仏国、G1・6勝)といった競馬史に輝く怪物に匹敵する存在が、日本で現役ラストランに臨む。

 陣営も世界最高峰と言っていいだろう。管理するAオブライエン調教師は、G1通算400勝の大記録を持ち、鞍上のライアン・ムーアはロンジン・ワールド・ベストジョッキーを4度獲得した“豪腕”。トレーナーはこれまで6頭の管理馬をジャパンCに出走させているが、今回は初の来日を予定。鞍上は「これまでジャパンCを勝っている馬たちにフォームが似ているし、自信を持っています」と言葉に力を込めた。

 勝てばディープインパクト産駒の最多タイとなるG1・7勝目。さらに、サンデーサイレンスを超えて史上最多となる産駒JRA・G1・72勝の栄誉を父に贈ることができる。同助手は「速い馬場が合っているし、ゲートも速いから日本の高速決着も対応できる」とニッコリ。19年ぶりとなる外国勢のジャパンC制覇は、日本近代競馬の結晶が残した“芸術品”によって成し遂げられようとしている。(角田 晨)

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