竹田麗央、飛ばし屋の原点は1階の試打室 小学校卒業時「賞金女王」と目標記す…母が語る歩み

竹田がツアー初優勝を果たした今年4月の地元・熊本でのKKT杯バンテリンレディスで。母・哲子さん(右)に祝福された

◆女子プロゴルフツアー 伊藤園レディス 最終日(10日、千葉・グレートアイランドC=6769ヤード、パー72)

 今季&通算8勝を挙げた竹田麗央(りお、ヤマエグループHD)が、21歳222日の年少3位で2試合を残して初の年間女王に輝いた。コーチでプロゴルファーでもある母・哲子(さとこ)さんが、女王の歩みと成長ぶりをスポーツ報知に語った。

 竹田の母は充実の1年を「こんなにいい成績が出て、びっくりしています。アプローチが寄るようになったのが大きかった」と振り返った。

 娘が本格的にゴルフを始めたのは6歳。熊本の家がゴルフショップで1階に試打室があり、打ち方をマネして自然とクラブを振るようになった。近所の練習場で大人向けのレッスンをしていた哲子さんがジュニアも教えるようになり、そこに竹田も参加した。

 飛距離は天性のものだった。「4月2日生まれで体が大きく、初めから飛んでいた。飛ばすのが好きでした」。コースデビューは約半年後。「とにかく打ったら走るよ、という感じで。帽子をとって最初のあいさつをして、人のラインを踏んではいけないとか、ゴルフってこうだよと説明しながら回りました」。

 小学校高学年で地元大会で初めて優勝した。卒業時の文集には将来の夢に「賞金女王」と記した。母の日の寄せ書きにも「いつもありがとう。プロになって稼ぐから」などと書いており「小学生の頃からプロになりたいと思っていたんだなぁ」と母は当時を感慨深げに振り返る。

 中学では平日は2時間の練習、週末はコースに行き、ゴルフに熱中。この時点で身長も飛距離も母を超えた。だが、「飛ぶことは飛ぶけど、スコアをまとめたりはあまり上手ではなかった」と粗削りだった。当時、母はコースに連れて行った時「パター、アプローチをなるべく一緒に練習した。これをしなさい、と一人で置いていくとつまらないだろうと思ったので」とプロゴルファーならではの指導法で娘の弱点を補った。

 熊本国府高3年の21年11月にプロテストに一発合格。ツアーに参戦し、ポイントランクで22年は58位、23年は22位でシード入り。今年は8勝と躍進した。「普段の生活や本人は何も変わらない。普通に淡々とやっているのがすごい。私は邪魔をしないようにしています」とうれしそうに話す。

 来季からは母娘二人三脚で米ツアーに主戦場を移す。初渡米だった今年6月のメジャー、全米女子オープンで9位と健闘。「どこまでやれるのか私も楽しみでした。みんな飛ばす中で、同じくらい飛んでいたのでやれると思ったのでは」。秋に国内メジャーを連勝し、最初は3年だったシードが5年になり、米挑戦を決意。日本女子5人目の海外メジャーVの快挙を狙う娘に「いつになるか分からないけど、本人も目指していると思います」と期待を寄せた。(岩原 正幸)

ジャンルで探す