70代女性、夫婦で自家製らっきょう漬けに挑戦。畑を耕すところから始めて…10ヵ月以上かけて作った「名誉の勲章」
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夫が突然言いだしたことは…
わが家のご飯のおともといえば、らっきょう漬け。夫婦で大好きなので、毎食欠かせません。
昨年の8月、食事中に夫が突然、「自家製のらっきょう漬けが食べたい」と言いだしました。夫はさっそく種苗店で種球を買い、近くに借りている約30坪の休耕畑へ2人で植えに行ったのです。
人から教わり、まずは畝を作る。そこに、30センチ間隔で深さ5センチ程度の穴を掘り、種球を2つずつ埋めていきます。
その後、夫が草取り、土寄せ、追肥などまめまめしくお世話を続けて10ヵ月。掘ってみると、食べごろのらっきょうが顔を出しました。あとは洗って漬けるだけ……と思っていたのですが、実はここからが本番。下処理に大変な手間がかかるのです。
味わうまでの長き道のり
「鱗茎(りんけい)」と呼ばれる根の部分を食べますが、掘りだした時は鱗茎がいくつもくっついた状態。まずはそれをひとつひとつ外していきます。
それから、両端に残っている茎や根をカット。小刀で指を切ってしまい、かなりやる気を削がれましたが、次は皮をむかなくてはなりません。
爪に黒くて強い匂いのするアクがこびりつき、洗い落とすのに一苦労。食卓に並ぶようならっきょうの形となったそれらを、大中小に選別して、ようやく下処理完了です。
2時間以上もかかり、腕や腰が痛い。思わず、「こんなに大変なら、洗われたものをスーパーで買って漬ければよかった」とぼやいてしまいました。
洗い終わったものを量ればなんと3キロ以上。大きさ別に保存瓶で酢漬けにし、完成を待っているところです。その後1週間は両手かららっきょうの匂いがして、ややうんざりしましたが、夫は満足げ。「名誉の勲章だよ」などと言っています。
いつものらっきょう漬けに、どれだけ手間がかかっているかを痛感しました。ただ、喉元過ぎればなんとやらで、漬かる日を今か今かと待ちわびている自分がいます。美味しくできたら、来年も挑戦しようかな。
11/11 12:30
婦人公論.jp