58歳、思い切って保育園の求人に応募。身体は年齢に抗えないけど、園児にパワーをもらって

もう若い先生と同じようには動けない。疲れも1日ではとれなくなっている。それでも…(写真:stock.adobe.com)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは千葉県の70代の方からのお便り。58歳の時に始めた近所の保育園のお手伝い。若い先生のようには動けないけれど、再雇用で70歳を過ぎても働いている理由は――。

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58歳、保育園で働くことに

70歳を過ぎてまだ働ける場所があることが、私の喜びとなっている。

地元の新聞広告で近所の保育園の求人を見つけたのは13年前。東日本大震災で兄や友人を亡くした頃だ。

ショックで家に引きこもり、ウツウツとしてしまう自分に、このままではいけないと思っていたところだった。

定年の65歳に対し、当時私は58歳。しかし、数年でも今思い切って社会に出よう、と応募した。

仕事内容は、週に5日、保育士のお手伝いをすること。勤めて数年、そろそろ定年と思っていたら、思いがけず再雇用のお話をいただいた。

ところが定年間近のある日、保育園へ向かう途中で脚に痛みが。病院に行くと肉離れとの診断。どうしても辞めたくなかったので、週3日にシフトを減らして続けている。

園児にパワーをもらって

子どもたちは、私の働き方の変化をまだ理解できていない。

「先生どうして昨日お休みだったの? 寂しかったよ」「先生の紙芝居大好きだから明日も楽しみ」という声を聞き、こんな私を頼りにしてくれて、と涙が出るほど嬉しかった。

お金には代えられない喜び、そしてやりがいだ。

もう若い先生と同じようには動けない。疲れも1日ではとれなくなっている。

それでも私を認めてくれる保育士の先生、保護者、それから大好きな園児たちには感謝するばかりだ。

あと何年続くかわからないけれど、ひ孫のような園児たちに元気をもらい、今日も張り切っていこう!


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