タヒチ島チョープーで開催!パリ2024オリンピック サーフィン 日本代表4選手と注目の見どころを解説!
パリオリンピック開幕まで1週間を切った。東京オリンピックから種目に追加されたサーフィン。
パリオリンピックでも開催されるが、会場はフランスではなくフランス領ポリネシア・タヒチ島にあるチョープーというサーフポイント。
フランス本土でも世界大会が開催されたことがあるほど世界的に有名なサーフポイントがあるのにも関わらず、パリオリンピックの大会会場がなぜフランス領ポリネシア・タヒチ島のチョープーなのか。
今回はパリオリンピック大会会場、日本人選手、そしてサーフィン競技の見どころなど詳しく紹介していく。
究極の波が押し寄せるチョープー
南太平洋のど真ん中、ハワイの下、オーストラリアと南米の間にあるフランス領ポリネシア タヒチ島。その南西海岸の村にあるのがパリオリンピック、サーフィンの大会会場となるチョープー。
チョープーの海底は珊瑚礁や岩によって形成されたリーフブレイク。海底から急角度で隆起したリーフに波がぶつかることによって掘れ上がった高難度のチューブという波となる。
チューブとは、波の崩れ始めるリップという部分が岸に向かって前に飛び出ることで波の斜面との間にできたトンネルのことを言う。このトンネルの中を滑っていくことを、チューブライディングと呼ぶ。
このチューブライディングは波のコンディションと技術が伴わないと出来ない高難度な技で、サーファーであれば一度はチューブライディングで、そこから見える景色を見てみたいと思う夢の空間だ。
日本代表選手
今回のパリオリンピックでは男女合わせて4名の選手が日本代表として出場する。
五十嵐カノア
東京オリンピック銀メダリスト。
アメリカ合衆国カリフォルニアで生まれ、父親の影響で3歳からサーフィンを始める。
2016年、当時史上最年少、アジア人で初めてサーフィンの世界最高峰、World Surf Leagu Champion Tourに参戦。2019年には、Champion Tour第3戦インドネシア・バリ島で行われた「Corona Bali Protected」でアジア人初の優勝。
英語、日本語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語と5か国語を操る。
サーフィンの技術はもちろん戦術も豊富に持ち合わせている選手なので、どういった試合運びをして勝ち上がっていくのか、今回のパリオリンピックでも注目。
コナー・カラサワ・オレアリー
オーストラリアの父と日本の母の間に産まれた、コナー・カラサワ・オレアリー。
母、柄沢明美さんはJPSA(日本プロサーフィン連盟)の元グランドチャンピオン。オーストラリアNSW州シドニー南部のクロヌラという街で生まれ育った。オーストラリアで国際試合が行われる際は、試合に出場する日本人のサポートを明美さんがしてくれて日本人のトッププロサーファーはお世話になった選手が多い。
2016年に南アフリカで行われたWorld Surf Leagu Qualify Series QS10000というQualify Seriesの中で1番グレードの高い試合で優勝。その年のQualify Seriesのチャンピオンとなり、Champion Tour入りを果たす。
2017年World Surf Leagu Champion Tour第5戦「Outerknown Fiji Pro」で2位に輝き、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。2019年にはChampion Tourから脱落したが、2021年に再びChampion Tour入りを果たした。
約190cmと高身長を生かしたダイナミックなサーフィンが特徴。
稲葉玲王
東京オリンピックのサーフィン会場となった、千葉県一宮町出身。
プロサーファーである父の影響で幼少期からサーフィンを始める。サーフボードのスポンサー、トコロサーフボードでお世話になりながら12歳からハワイ・ノースショアへ通い初める。
JPSA(日本プロサーフィン連盟)では13歳と当時の最年少記録でプロ公認を得る。2021年JPSA2021 さわかみ Japan Pro Surfing Tour ショートボード第1戦 -CS1- さわかみチャレンジシリーズ 一宮プロ -Challenge で初優勝を飾った。
2023年「第4回ジャパンオープンオブサーフィン」で優勝し、「ISA World Surfing Games」日本代表の座を獲得。その大会でアジア最高位となり、パリオリンピックの出場権を獲得した。
パリオリンピックでは、昨年癌によりこの世を去った日本サーフィン界の一時代を築いた偉大なサーファー、小川直久氏がハワイ・ノースショアにあるパイプラインという世界屈指のサーフポイントでおこなられた大会で10点満点をたった着出した時に着用していた同じ柄のヘルメットを持参してパリオリンピックに挑んでいる。
サスティナブルスニーカーブランドCARIUMA(カリウマ)とアスリート契約を結んだ。
松田詩野
両親の影響で幼少期から神奈川県茅ヶ崎市でサーフィンを始める。
2018年アメリカ合衆国カリフォルニア・ハンティントンビーチで開催されたジュニアの世界大会「VISSLA ISA World Junior Surfing Championship」に日本代表として出場。U-16で2位に輝く。
2019年オリンピック会場となった千葉県一宮町釣ヶ崎海岸で行われた「第1回ジャパンオブサーフィン」で優勝を果たす。
前回の東京オリンピックでは最後の最後に代表の座を逃してしまったが、その悔しさをバネに2023年エルサルバドルで行われた、「ISA World Surfing Games」でアジア最高位となり、パリオリンピック代表日本人内定第一号となった。
内定が決まってからは、大会会場となるタヒチのチョープーに足を運び練習に励んでいる。
スケジュール
7月28日(日)
2:00〜 男子第1ラウンド
6:48〜 女子第1ラウンド
1ヒート30分。各3名ヒートで行われ、1位の選手は第3ラウンドへ進み、残りの2名は第2ラウンドへ進んでいく。
日本人選手のヒートはこちら。
男子第1ラウンドヒート3 五十嵐カノア
男子第1ラウンドヒート4 コナー・カラサワ・オレアリー
男子第1ラウンドヒート8 稲葉玲王
女子第1ラウンドヒート8 松田詩野
7月29日(月)
2:00〜 男子第2ラウンド
6:48〜 女子第2ラウンド
7月30日(火)
2:00〜 男子第3ラウンド
6:48〜 女子第3ラウンド
7月31日(水)
2:00〜 男子準々決勝
4:24〜 女子準々決勝
6:48〜 男子準決勝
8:00〜 女子準決勝
9:12〜 男子3位決定戦
9:53〜 女子3位決定戦
10:34〜 男子決勝戦
11:15〜 女子決勝戦
※波の状況によりスケジュールが変更する可能性がある。
見どころ
今回競われる点は、会場がチョープーという観点からチューブの戦いが予想される。
チューブの中に長く入ることができるのか。そしてチューブから転倒する事なく出てこれるのか。勝ち上がるために非常に重要となってくる。
今大会はグーフィーと言われる海を見て左から右に波が崩れていくサーフポイントとなり、なみのコンディションにもよるが、基本的にチューブがメインとなるサーフポイントであり、初めて観戦される方も比較がしやすくなっているかと思われる。
大自然の綺麗な景色の中で迫力のある波に挑む日本人選手をみんなで応援しよう!
パリオリンピックでの日本人選手たちの活躍はテレビ放送やTVerで視聴しよう!
パリ2024オリンピックのサーフィンの戦いの模様は、民放公式テレビ配信サービス「TVer(ティーバー)」でのオンライン配信が予定されている。
なお各競技の最新情報はオリンピックのウェブサイトや公式アプリで気軽にアクセスできるので是非ダウンロードしてみて欲しい。日本人選手たちの大活躍をテレビの前で一緒に応援しよう!
執筆者:水野 亜彩子/ Asako Mizuno
幼少期からサーフィンを初め、当時女子最年少15歳でプロサーファーへ。国内外のツアーに参戦。日本代表として世界大会には4度出場。高校生の時にJPSA初優勝。21歳でJPSAツアーランキング2位に輝いた。現在はサーフィンの大会の解説者、選手時代にコンディショニングとして行っていたピラティスのインストラクターの資格を取得してもインストラクターとしても活動。サーフィンの魅力を発信し続けている。
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07/25 08:00
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