天理が奈良を圧倒、26回目優勝 2校が近畿大会へ 秋の高校野球

奈良―天理 二回裏天理2死満塁、永末が適時三塁打を放つ=2024年10月6日午後0時52分、奈良県橿原市のさとやくスタジアム、佐藤道隆撮影

 秋季近畿地区高校野球大会奈良県予選(県高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は6日、橿原市のさとやくスタジアムで決勝があった。天理が奈良を投打で圧倒して11―1で勝利し、2年ぶり26回目の優勝を果たした。3位決定戦は智弁学園が郡山を13―9で破った。天理と奈良は19日に神戸市のほっともっとフィールド神戸で開幕する近畿大会に出場する。秋の近畿大会出場は天理は2年ぶり37回目、奈良は34年ぶり3回目。

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 奈良・米田朋恭主将 二回に受けた集中攻撃は、守備の判断ミスや配球の甘さといった自分たちの課題が原因。近畿大会に向けて穴のない守備に近づけ、打撃でも速球と切れのある変化球に対応できるよう練習していきたい。

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 「入ってるよ!」。二回裏、天理の4番打者・冨田祥太郎(2年)はベンチやスタンドからの声を聞いて、自分が放った右中間への打球がホームランだったことに気づいた。一、二塁間で止めかけていた足を再び動かし始め、苦笑いしながら本塁を踏んだ。

 1点リードされたこの回、先頭打者で左前打で出塁し、反撃の口火を切ったのも冨田だった。3安打3打点でチームの勝利に貢献し、4番の役割を果たした。だが、秋までは順調だったわけではない。

 春の大会中の5月、練習すると痛んでいたひじが日常生活でも痛むようになり、手術することになった。春季大会でも本塁打を放つ活躍をみせたが、夏の大会はベンチから外れた。7月中旬までギプスをつけ、8月までリハビリを続けた。「練習に参加できずつらかった」と振り返る。

 「秋の大会も無理だろう」。そう思っていたが、予想外にも13番の背番号をもらい、「まさか」と驚いた。代打で始まった秋の大会、3戦目から4番を任されるようになった。けがを乗り越えた冨田は「単打も長打も打てるバッターになって、近畿大会でも勝ち抜いていきたい」。そう誓った。(佐藤道隆)

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