仙台育英、古川学園を退け26回目優勝 3位は東北学院榴ケ岡

力投する仙台育英の吉川投手=2024年9月29日午後1時23分、仙台市民、岸めぐみ撮影

 第77回秋季東北地区高校野球宮城県大会の決勝と3位決定戦が29日、仙台市民球場であった。決勝は仙台育英が8―0で古川学園に勝利し、3年ぶり26回目の優勝を果たした。3位決定戦では、東北学院榴ケ岡が4―1で石巻工を下し、秋は初となる東北地区大会出場を決めた。上位3校は10月12日から福島県で開かれる東北大会に出場する。

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 二塁打を浴び、無死で得点圏に走者を背負った五回。仙台育英の吉川陽大投手(2年)は、そんな状況でも全く動じていなかった。「心は熱く、頭は冷静に」――。

 後続を右飛、投ゴロで打ち取ると、次の打者も得意のカットボールで見逃し三振に抑え、相手の反撃の芽を断ち切った。その後も変化球を効果的に使いながら、7回無失点8奪三振の好投を見せた。

 今年の春の東北大会では先発を任されることもあったが、夏は不調に陥りベンチ外に。新チームになると、練習の準備をしないことや練習中の私語をチームメートに指摘された。「行動を見直すチャンスを作ってくれた」と素直に受け止め、責任感をもって練習に励むようになった。

 ピッチングでは変化球のスピードや曲がり方の精度を高め、自分の長所を伸ばすことに努めた。そしてこの秋、初めて背番号1を託された。「自分の全ての力を出し切ろう」と大会に臨んだ。

 今大会、5人の投手が登板し、全5試合無失点の好投を見せた。高レベルの投手がそろう中、東北大会に向け「絶対に自分が先発して投げ切るという気持ちを持って練習していきたい」。エースとしての自覚をにじませた。(岸めぐみ)

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