【高校野球】東北学院榴ケ岡が秋の東北大会初出場…宮城3位決定戦でエース・佐々木健斗が自責点0で完投

秋は初となる東北大会出場を決め、喜ぶ東北学院榴ケ岡の選手たち(カメラ・秋元 萌佳)

◆高校野球◇秋季宮城県大会▽3位決定戦 東北学院榴ケ岡4―1石巻工(29日・仙台市民)

 宮城の3位決定戦では、東北学院榴ケ岡が石巻工に4―1で勝利し、秋は初となる東北切符をつかんだ。先発したエース・佐々木健斗(2年)が3安打1失点(自責点0)と好投し、勝利を呼び込んだ。東北大会の組み合わせ抽選会は10月3日に行われる。

 最後の打者が捕邪飛に倒れると、東北学院榴ケ岡のエース・佐々木健は小さくほえてガッツポーズ。「打たせるところをしっかり打たせて、守り切ることができてよかった」と笑顔でスタンドにあいさつした。

 25日の準々決勝・仙台戦で先発し、4回を投げた時点で雨天のため継続試合が決定。26日の試合も登板して2日間で7イニングを投げたため、中1日となる28日の準決勝では登板を回避した。他の投手陣からは「29日の試合は絶対に勝てよ」とエールをもらい、最後の東北切符を懸けたマウンドに立った。

 「うまくコースを突けた」。初回を3者凡退と見事な立ち上がりを披露すると、前半は直球主体の配球で5回まで7奪三振。後半は「スライダーの高低を使い分けた」と変化球を増やし、打たせて取った。7回は1死から内野安打を許すと、遊失、三失で満塁とされ、二ゴロ併殺崩れの間に1失点。それでも「もう1点もやらない」と冷静に一塁走者をけん制で刺して流れを断ち切ると、その回以外は二塁すら踏ませない圧巻の投球で勝利をたぐり寄せた。

 1年春の県大会で初めてつけた背番号1。1年夏の11番を経て、最速は130キロも、自慢の制球力と変化球の精度の高さで同年秋からはエースの座を譲らず、ここまできた。最上級生になった今秋は、3年生からの「今までありがとう。お前のおかげでここまで来られた」という言葉を糧に「自分がエースとして引っ張る」と自覚十分。秋は初めてとなる東北大会の舞台に向け「エラーせずにいろいろな打者を抑えて、しっかりと守り勝つ」と活躍を誓った。(秋元 萌佳)

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 決勝では仙台育英が古川学園に8-0。投打がかみ合い、秋の県頂点に立った。先発したエース・吉川陽大(あきひろ、2年)は7回を4安打8奪三振で無失点。打っては3番・中岡有飛三塁手(2年)がサイクルまで本塁打を残すのみの4打数3安打3打点と活躍した。

 今大会は5試合通じて無失点。夏はベンチ入りできなかった投手陣の成長に須江航監督は「投手の仕上がりが秋を左右すると言ってきた中で、吉川と井須(大史、1年)の2人を軸に大きな成長を遂げてくれた」と評価。東北大会に向け「勝ち抜くのはいばらの道。控え選手が勝敗を分けると思うので、レギュラーの概念を9人と捉えずに考えていきたい」と選手選考でも試行錯誤しながら、万全の準備を整える構え。

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