大谷の「50ー50」は通過点か 1打席も無駄にしない九回に51号
大リーグ史上初となる「50―50」という偉業も、ドジャースの大谷翔平にとっては通過点かもしれない。そう感じさせたのが、19日(日本時間20日)のマーリンズ戦で偉業を成し遂げた後の第6打席だった。
ドジャースは八回までに大量11点をリードしていた。マーリンズは次戦以降を見据えた投手陣の温存などを理由に、九回のマウンドに野手を送った。
2死一、二塁。大谷は、力ない109キロの直球を右翼席上段にまで運び、51号3点本塁打にしてみせた。
前の打席まで5打数5安打と申し分ない結果を残していたが、それで満足することはない。1打席も無駄にしないという姿勢がこの一発に表れていた。
大リーグでは野手の登板は珍しくない。過去にはイチローもマウンドに立ったことがある。大リーグ機構(MLB)は、リードしているチームは10点差以上がついた九回、リードされているチームは8点差以上をつけられている状況で野手の登板を認めている。
日本のプロ野球では、野手の登板が相手チームへの侮辱的行為とみなされる風潮がある。
大リーグでも大差でリードしているチームは盗塁をしてはいけないといった「暗黙のルール」が存在するが、登板した野手から本塁打を打ってはいけないといった風潮はないようだ。大谷が打席に入った時点で立ち上がる観客もおり、3打席連続アーチの後は大歓声が上がった。
09/20 17:08
朝日新聞社