「解任でもいいくらいの無策」大谷翔平 決勝タイムリーも…ド軍ロバーツ監督の“采配の甘さ”にファンの怒り

ド軍の指揮を執るロバーツ監督(写真・USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 

 9月25日ホームで始まったパドレスとの3連戦は、長かったシーズンの最後に迎えた天王山だった。ゲーム差3で迎えた首位攻防戦。この時点ではドジャースが有利だった。しかし、対パドレスでは、直接対決で8勝3敗とパドレスが大きくリードしている。そのため、もしパドレスが3連戦で全勝し、シーズン中の勝ち負けが同じならパドレスが首位となる。

 

 その意味でもド軍は、最低でも1勝すれば良かった。すなわち、投手でも野手でも早め早めに投入、交代させるポストシーズン(PS)と同じ戦いをする必要があった。

 

 ところがである。ド軍のデーブ・ロバーツ監督はPS用の戦いではなく、普段の試合よりも後手に回った采配に終始し、2-4と敗れた。

 

 

 敗戦最大の要因として多くのメディアは、9回裏のド軍の攻撃を挙げた。1点を返し、なお無死一、二塁のビッグチャンス。ここでバッターは逆方向への打撃も送りバントもできる好打者のミゲル・ロハス。最低でも進塁打が期待された。何しろ、次打者が大谷だったからだ。にもかかわらず、無策のままあっという間にツーストライクに追い込まれ、結果は最悪のトリプルプレーで幕を閉じた。

 

 この無策が多くのメディアから指摘されたのだ。

 

 しかし、ある現地記者は別の敗因を語る。「9回の攻防もそうだが、4回表のロバーツ監督の“無策”ぶりのほうが呆れました」というのだ。

 

 この日、ド軍の先発はランドン・ナック。27歳ながら、今季がメジャー初昇格で経験も実績も乏しかった。案の定、ナックはリズムに乗れない。初回こそ三者凡退に打ち取ったが、2回に逆転2ランを浴び、4回も致命的な2失点を食らった。

 

「明らかにナックは初回から動揺していて、とくに4回はあっぷあっぷの状態でした。2死一塁で牽制の構えを見せましたが、一塁上は無人。投げることができずボークとなった場面が物語っています。ナックのミスは許されることではありませんが、ミスをした後にフリーマン一塁手が呆れたような表情を見せ、すぐにナックに背を向けた。彼はチームリーダーですから、ナックに『気にするな』といったアドバイスをしてほしかった。その光景はあまりにも寂しく映りました。

 

 結局、その動揺からナックは立ち直れず、決定的な4点目を失ったんですが、もっとショックだったのがド軍のブルペンです。

 

 なんと、4回が始まったときにはブルペンで誰も投げておらず、4点めを失ってからようやく次の投手が準備に入った。ロバーツ監督のあまりにも遅い動きに驚かされました。と同時に、早め早めが基本のPSで勝てない理由も再確認しましたね」

 

 この日、NHKーBSで解説を務めた武田一浩氏も思わず「ドジャース大丈夫?(投手交代)遅すぎでしょ」と呆れ返っていた。

 

 当然ド軍ファンの怒りはロバーツ監督に向けられた。

 

《あまりにも投手起用おかしいし、無策で今の流れを作ってしまっています》

 

《ロバーツ解任でも良いくらいの無策》

 

《もう昨日は短気決戦の戦い方しなければならないのに、平常運転していました》(原文ママ)

 

 翌日のパドレスとの第2戦は、ド軍が大谷の決勝タイムリーで逃げ切ったが、この日もロバーツ監督の無策ぶりが目立つ。6回裏無死一二塁で打席には8番のラックスが入る。だがバントや進塁打を狙うとか、そういった策は一切なし。何の手も打たず三振、センターフライであっという間に2アウト。

 

 大谷の決勝タイムリーが出たからよかったものの、すべては結果論だった。

 

 この日の勝利で、ド軍は明日パ軍に勝てばナ・リーグ西地区で3年連続の優勝が決まる。だが勝っても不安を拭い切れないド軍ファンは、大勢いることだろう。

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